トキ(Nipponia nippon)
  <日本動物誌>『第2部 鳥類篇』

 トキ科28種の鳥のうち、日本産のトキは、江戸時代までは、北海道を含む列島各地の田や畑で見かけられたといいます。シーボルトも、1826(文政9)年2月21日の項で「木屋瀬」(北九州市八幡西区)でトキなどを捕える「鳥モチを塗った紐」を使った仕掛の「高縄」について述べていますし、同年3月26日には「大野」(滋賀県甲賀郡土山町)で「赤いバラ色の翼」と「白い羽」の「二羽のトキ」の剥製を買っています(拠:『江戸参府紀行』)。古代エジプトでは、知恵の神トト神として表現されたりもしたトキですが、列島では、その後、羽や肉が珍重されたり、害鳥扱いを受けるなど乱獲されたために、現在では、絶滅しています。
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