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閲史筌蹄えっしせんてい 筑前郷土誌解題』

(請求記号:K025//エ  昭和8年 福岡県立圖書館発行)

本書は長野誠(1807~1891)が著した『閲史筌蹄』から筑前地域に関係する資料を抜粋整理し、『閲史筌蹄 筑前郷土誌解題』というタイトルで刊行された本です。
収録された資料点数は804点。青柳種信、伊藤常足、貝原益軒、亀井南冥、竹田定直、長野誠等、筑前の著名な学者をはじめ、269人の著作の解題が収録されています。分野は家譜、系図類、古文書、紀行文、地誌、藩政史料、軍記戦記類、古社寺の縁起、由緒書、伝記、日誌等多岐にわたり、筑前地方史研究には欠かせない参考図書です。

本書の元となった『閲史筌蹄』とは、古今の史籍約5,000点の解説書です。長野誠が文政11年(1828)から明治24年(1891)までの63年間にわたって閲読した資料を、正史、紀伝、覇史、藩史、系譜、伝記、日記、僧伝などの20部門に分類しまとめたもので、全43巻10冊に綴られた資料です。筌蹄とは、「手引」、「案内」という意味です。当館所蔵の貴重資料「福岡県史編さん資料」(資料番号353~362)に収められており、マイクロフィルム(リール番号3040~3049)で閲覧することができます。



『閲史筌蹄 筑前郷土誌解題』は当時の福岡県立図書館が発行したもので、編集に当たった司書・岸田信敏は大正5年から『閲史筌蹄』を丹念に読むことから始め、その中から筑前関係のものを選び出し、3年がかりで「閲史筌蹄中郷土志ニ関スル図書索引」を作成しました。それからさらに十数年の歳月をかけ、収録する資料と解題を選び、書き写し、さらに編集の段階での書名・著者名の50音並べかえ、取捨選択などを行い、郷土史研究の豊富な知識をもとに、福岡県の郷土史解題の原点とも言うべき書を完成させました。

本書が刊行された昭和8年(1933)の10月26日には、岸田氏に対して日本図書館協会九州支部より表彰状が贈られています。

なお、本書の復刻版が昭和51年に文献出版より刊行されています。(写真は昭和8年発行のものです)

(注釈)このページは『福岡県立図書館報 第9号』の「郷土資料解題」を再編集したものです。

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