福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

10月のおすすめ本

横巻き: 読書の秋?食欲の秋?

 食欲の秋、読書の秋と言われていますが、あなたはどちらですか?

 「両方!」という人のために、読むと思わずおなかがすいてしまうような本を集めました。

(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『世界のお弁当』
 情報センター出版局
    596/4/95

みなさんはお昼ごはんに何を食べていますか?買ってきたパン、お店の定食、色々ありますがお昼といえばやっぱりお弁当!日本のお弁当といえば、白いご飯に梅干し、卵焼き、からあげなんかが定番です。でも、世界ではどんなお弁当をもって行っているのか気になりませんか。この本はそんな世界のお弁当や、お弁当の思い出を紹介しています。

アメリカのピーナッツバターとジャムのサンドイッチとリンゴの入ったランチボックスのような洋画でよく見るメジャーなお弁当から、イタリアのとっても美味しそうなパニーニ、ブータンの唐辛子尽くしで「ポンチュー」という籠に入った珍しいお弁当まで22か国のお弁当レシピがのっています。

世界のお弁当箱も紹介されていてステンレス素材、籠やお重、ポップなランチボックスなど形も柄も様々で面白い! お弁当といえば水筒。水筒も国によって様々ですか、中でも中国の水筒はインスタントコーヒーの瓶を再利用して使っている人も多いとか!

 気候のいい10月は、世界のお弁当を持っていつもとは一味違ったピクニックはいかがですか?(き)

 

テキスト ボックス: 『中学生までに読んでおきたい日本文学9 食べる話 』
     松田哲夫/編
あすなろ書房
918/6/915−9

 「屋台のすし屋に小僧がはいって来て、一度持ったすしを価をいわれて出ていく、これだけが実際自分がその場に居あわせて見た」

   ―『小僧の神様 他十篇』岩波文庫 あとがきより―

 

この小説は、志賀直哉が実際に屋台で目にした情景を材料に書かれています。いつの日か、通らしい口をききながらすしを食べたいと憧れる小僧、その小僧が意を決して入ったすし屋台の客である若い貴族院議員、そしてこの小説を書いている作者の三つの視点から構成されています。

私が初めてこの小説を読んだのは、おそらく小僧と同じ歳のころ。人生こんな良いことが突然起こるのか!と、しばらくの間、飲食店の前を通る度にそわそわしました。まさにうまい話。

再びこの小説を読んだのは、貴族院議員に歳が近くなってしまった最近のこと。小僧の頃には感じなかった、じわじわと苦味のする小説になっていました。

 小説は私とともに変化しているのだな、と感じた小説です。次に再読する時にはどのような味わいになっているかを楽しみにねかせています。(こ)

 「パ・マル(悪くない)」という少し変わった名前を持つ下町の小さなフレンチレストラン。十年以上フランスのオーベルジュやレストランで修業してきたという無口なシェフは料理だけではなく、謎解きの才能もあるようで、お客が巻き込まれた事件や不思議な出来事の謎を次々に解き明かしていきます。

 「タルト・タタン」、「ロニョン・ド・ヴォー」、「ガレット・デ・ロワ」、「オッソ・イラティ」など、名前はちょっと難しいですが、本当に美味しそうな料理が次々と登場し、読んでいるとお腹がすいてきます。こんなレストランが近所にあったらなあと思わずにはいられません。

 ちなみにタイトルにもなっている「タルト・タタン」はバターと砂糖でいためたリンゴで作ったフランスのお菓子。普通のタルトとは違い、 リンゴの部分が上になっているという点がポイントです。「ロニョン・ド・ヴォー」は仔牛の腎臓の料理、「ガレット・デ・ロワ」は中に一つだけ陶器の人形が入ったパイ、「オッソ・イラティ」は羊の乳で作ったチーズです。

 続きである「ヴァン・ショーをあなたに」にも美味しそうな料理がたくさん登場します。こちらもぜひ読んでみてください。(う)

 おいしそうなものというとみなさんは、どんなものを想像しますか?大きないちごののったケーキや目の前で調理する新鮮なお刺身、素敵なレストランのフルコース、もしくはお母さんの手料理がいちばんのごちそうという方までさまざまではないでしょうか。雑誌を見ても、街中を歩いていても、ありがたいことに今の日本には、おいしそうなものがそこかしこにあふれかえっています。

 では、そのおいしいお料理をもっとおいしくいただくためのポイントとは、なんでしょうか。せっかくのおいしいお料理もどんな「見せ方」、また「食べ方」をするかで、その評価もおおきくかわってきますよね。今回紹介する本は、「おいしゅうございます。」のコメントでおなじみの岸朝子さんが、食事のマナーについて「いざというとき困らない基本マナー」を中心に、解説してくれるものです。また、基本マナーといっても、堅苦しいものではなく、一般の家庭から少し緊張する場での食事マナーまで、楽しくおいしく美しく食事するたしなみが詰まった一冊となっていますので、一読の価値あり。その「いざ!」というときのため、また普段の食事マナーを見直すきっかけづくりに、ぜひ手にとってみてください。 (の)

 同じ高校に通う小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある二人。中学時代の自分を隠し、ちょっと違った意味での高校デビューを果たした二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指します。目立たず、静かに平和な高校生活を送ろうとする二人。しかし、何故か二人の前には頻繁に謎が現れます。ちょっとしたことから真実を見抜いてしまう小鳩君は名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまいます。そうして謎を解いては自分を戒める日々。そんな彼は果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのでしょうか?

 ライトなミステリー小説ですが、小山内さんは大のスイーツ好き。出てくるお菓子の数々は小鳩君じゃなくても気になります。ちなみにシリーズのタイトルは「夏期限定トロピカルパフェ事件」、「秋期限定栗きんとん事件」と続きます。冬期限定のタイトルは何になるでしょうか?(う)

 この他にも食事やお菓子に関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『タルト・タタンの夢』
 近藤/史恵 著
 東京創元社
 F/コ114/5
テキスト ボックス: 『岸朝子の「食」の作法も美味のうち 』
 岸/朝子 著
 日本文芸社
 596/8/22
テキスト ボックス: 『春期限定イチゴタルト事件』
 米澤/穂信 著
 東京創元社
 F/ヨ68/2