福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

3・4月のおすすめ本

横巻き: 夢に向かって

 入試や就職活動は今までの経験の中で一番大変!と思っている人もいるのではないでしょうか。そんな時は本を読んで気分転換したり、やる気をもらったりしてください。(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『手紙屋』
 喜多川 泰/著
 ディスカヴァー・トゥエンティワン
 159//1223

はじめまして、手紙屋です。

私は希望される方と“手紙のやりとり”をすることを仕事としています。

私からお送りするお手紙は全部で十通です。

その十通の手紙で、私は最善を尽くして私がこれまで学んだことを伝え、あなたが人生で実現したいことを実現するお手伝いをさせていただきたいと思います。」

 

就職活動を控えた大学生の涼太は書斎カフェで不思議な広告と出会いました。

最初はうさんくさいビジネスかも…と思った涼太ですが、結局手紙屋に手紙を送ることにしました。就職活動に不安を感じていることを書いた手紙から始まる手紙屋との“手紙のやりとり”。書かれているものは決して就職活動の必勝法などではありません。当たり前だけれども見落としてしまったり忘れてしまったりしていることを分かりやすく教えてくれるものでした。その中でも私が一番心に響いたものを紹介します。

 

『転がる石に苔はつかない』

動き続けているものに埃がかぶることはないのです。

 

掃除した部屋をずっときれいな状態にしておくためには掃除を習慣化することが必要です。自分を磨くこともそれと同じことで、輝き続けるためには磨き続けなければいけないのです。何をしても三日坊主の私には痛い話ではありましたが、埃をかぶらないため動き続けようと思いました。

 

 就職に関する見方を変える“手紙”が多いのですが、就職活動と縁がない方にも、現在活動中の方にも、是非読んでいただきたい一冊です。これから人生について少し考えてみませんか。(い)

テキスト ボックス: 『受験生の心の休ませ方 』
  加藤 諦三/著
 PHP研究所
 159/7/131

 この本は、著者が受験生だった頃の日記も交えながら、受験勉強や人生における悩みを抱える十代の君たちに、解決へのヒントを示してくれています。

 例えば、第二章「十代の苦しみが活きるとき」の中に、次のような教えがあります。

 

 夏休み・冬休みなど、長い学校の休みには、生活が乱れないようにすること。そして最後に付け加えておきたいのは、意欲は段階的なものであるということである。一気に意欲的にはならない。意欲増強の「魔法の杖」を求めない。受験生の聞いてくることはみんな、「何か魔法の杖はないですか?」という質問である。意欲を出すには、小さなことをきちんとできるようになることが大切。・・・「私はこれをやりたい」というものがあっても、それを我慢して、今やらなければならない受験勉強をしている人は強い。嫌いな勉強をするのは、これから先の人生をより良く生きようと思うからである。

 

 受験では、迷い・悩み・不安がつきものです。この本を手に取って、心を軽くして机に向かってみませんか?(わ)

 高二の夏が終わる頃、チャコは受験をひかえながらも、自分の将来についてただ漠然とした焦りを抱えていた。進路を決めないといけない大切な時期だというのに、志望大学どころか、文系か理系かさえ決めていないのだ。自分と同じく受験するとばかり思っていた親友のトキコによる突然の「大学に行かない」宣言が、チャコをいっそう悩ませる。

毎週日曜には犬のギバちゃんと散歩に行き、1時間ほど公園を眺めるのが習慣だ。半年前に亡くなったおじいちゃんが残したのは、今は物置と化してしまったおじいちゃんの部屋と、この柴犬らしき雑種のギバちゃん。

 ある日、ギバちゃんとの散歩中に出会った、名前も知らないさわやかな青年に恋をしたチャコ。それまで、うんざりした気持ちで眺めていた風景も、恋をした途端、まるで違って見えるようになった。しかし、そののどかな風景とは裏腹に、頭の中の悩みは簡単には消えてくれない。

 

 大学受験をひかえた息苦しさ、親友との大喧嘩、家族とのギクシャクした関係、恋の切なさ・・・と、青春まっただ中の苦しさやはじけるような楽しさの中でもがきながら、何かを見出そうとする主人公の姿を応援したくなります。

 作者の片山さんがこの小説を書き始めたのは、主人公のチャコと同じ高二の頃だったそうです。悩み多きお年頃の皆さんなら、きっとチャコに共感しながら読むことができるのではないでしょうか。(に)

来る4月、あなたは何処にいて、どんな人々とどんな毎日を過ごしているでしょう。新しい世界の始まりはいつも、今が変わってしまうことが怖くて落ち着かなくて、でも、不安と同じくらいワクワクやドキドキもどこかあるものですよね。

本書に登場するのは大学受験に失敗し、上京して浪人生活をすることになった四人の女の子達。彼女達にとっての新生活の始まりは決して期待通りの華々しいものではなかったものの、その短く儚い一年の浪人生活を通じて、彼女達は自身と向き合い、自分なりの答えを見つけて、もう一歩先の世界へと自力で踏み出してゆきます。

表面的な部分だけではないリアルな女の子同士の友達関係ややりとりが描かれているのも本書の魅力の一つで、男性は本書を読んで女子は怖いと思ってしまうかもしれませんが()、新生活を思うとそわそわしてどうにも期待よりも不安が勝り憂鬱になってしまうあなたに、是非手にとって頂きたい一冊です。(や)

 

 「勉強したくない」「就職活動やめたい」一生懸命頑張っていても、一生懸命頑張っているからこそそんな風に思ってしまうことはありませんか?そんな時はこの本を読んでみてください。

 まずは表紙の裏側に書かれた著者の略歴に「こんな生き方もあるんだ」と思いながらページをめくってください。仕事・夢という章だけでなく恋愛・結婚、旅・冒険という章にも興味深い言葉がたくさん紹介されています。

 

『自分が何かをしたいと思うなら、そのことを考えつづけ、少なくとも自分でできるすべてのことをためしてみるしかない』

 

『夢はかなわぬこともある。努力は報われぬこともある。正義は勝つとは限らない。だけどやってみなけりゃわからない。さあ、頑張ろう』

 

 きっと心に響く言葉が見つかるでしょう。悩みが一気に解決される訳ではないですが、もうちょっと頑張ってみようという気持になってもらえれば幸いです。(う)

 この他にも受験や就職などに関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『ジョナさん』
 片川 優子  著
 講談社
 913/カタカ/
テキスト ボックス: 『花束』
 木村 紅美 著
 角川書店
 F/キ133/3
テキスト ボックス: 『自由帳』
 高橋 歩 著
 A-works
 159//1809