福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

7月のおすすめ本

横巻き: 夏におすすめ

 もうすぐ待ちに待った夏休みという人も多いのではないでしょうか。今回は夏に読むのにぴったりな本を集めました。

(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『冷たいお菓子のレシピ』
  渡部 和泉/著 
    成美堂出版
  596/6/188

梅雨が明けるといよいよ夏も本番です。夏といえば冷たいデザートが美味しい季節です。

暑い夏に冷たいデザートを食べるのは至福のひとときですよね。甘いものが大好きな私にとって夏の楽しみのひとつでもあります。

 今回は夏にぴったりな冷たいデザートのレシピの本を紹介します。『冷たいお菓子のレシピ』では、プリンやゼリーのような定番人気のデザートやアイスクリームやシャーベット、ひんやり和菓子やマンゴープリンや杏仁豆腐などのアジアンスイーツ、プレゼントにぴったりなカップデザートなどの作り方が写真とともに紹介されています。どれもおいしそうで何を作るか迷ってしまいそうです!すぐに作れるスムージーやシェイクもおすすめです。

色とりどりのフルーツを使ったデザートは、暑さで疲れた体を癒してくれそうです。

 ぜひ皆様もこの本を手にとってお気に入りのデザートを見つけてください。この夏は見た目も涼しく美味しい夏のデザートを作ってみませんか。(し)

 

テキスト ボックス: 『花火のふしぎ』
     冴木 一馬/著
ソフトバンククリエイティブ
575/98/18

 夜空に大きく咲き、散っていく花火。派手な色で魅せる華やかさと一瞬で消えていく儚さがあります。夏と言えばこれ、と答える人は多いのではないでしょうか。全国で夏に行われる花火大会は約4500回です。こんなにも花火が好きな国は、世界でも他にはないそうです。

 日本の打ち上げ花火は江戸時代に始まりました。大きく三つの特徴があります。一つはきれいな丸、真円になること、次に芯があること、最後に色が変化することです。これらは、花火師たちの努力によって生まれました。この本では、花火の大きさと種類、作り方、打ち上げ方、地域ごとの特色など幅広く紹介しています。また、美しい花火の写真も必見です。

花火大会のプログラムの作り方や演出の仕方を知ると、今までと違った目線で花火大会が楽しめそうですね。(も)

中学生までの自分と決別するため、小市民を目指す小鳩君と小佐内さん。二人の互恵関係は高校二年生になっても続いていました。その夏、小鳩君は小佐内さんのお使いでシャルロットを三つ持っていきました。早速食べようとしたところで小佐内さんは電話で席を外し、小鳩君は待つ間先に食べることしました。ところが、このシャルロットこそがとんでもないしろものだったのです。

小鳩君の好みを具現化した味わいでうっとりと自分の分を平らげたところ、目の前にはあと二つシャルロットがありました。二つのうち一つは当然、小佐内さんのものですがもう一つは…?

 小佐内さんが食べるべきと分かっていたけれど理想のシャルロットが小鳩君を惑わせます。結局小鳩君は食べてしまうのですが、そのことを小佐内さんに気付かれないよう、頭を使って巧妙に隠したことからこの夏、二人の今後を大きくかえることになっていきます。

このように小さな謎から大きな謎まで甘いお菓子と一緒に推理してはいかがでしょうか?(い)

 「春はあけぼの」、で始まるあまりに有名な清少納言の枕草子。古文の授業で避けては通れない作品なので、空ですべてを暗唱できる方も少なくないのではないでしょうか。そんな方は既にお気づきでしょうが、本書は来る季節に読むにはピッタリな、夏ならではの描写の美しい作品です。少し補足で説明をしますと、清少納言曰く、「夏は夜」が格別に良く、「月のころはさらなり。闇もなほ」素晴らしいのだそうです。

 本書は主人公の悟が母と共に訪れた山中の古びた庵で、不思議な少女と生意気な少年に出会い過ごしたひと夏の数日間を描いています。もう二度と経験し得ないこの夏限りの体験と、出会う人々との交流を通しながら少しずつ、この不思議な庵の謎と、悟の母が何故庵を訪れたのかが解き明かされていくのです。

 ファンタジーのようでありながらミステリーでもあり、現代社会の裏に確実に存在する問題を示唆しているようでもある本作は、暑すぎる夏、つい家でうだうだ過ごしてしまう人に是非お勧めしたい一冊です。読後はあなたも悟のように、今までそこにずっと存在していたのに蓋をし無きものとして誤魔化してきた感情や物事に、向き合う勇気が持てるかもしれません。(や)

 17歳の主人公、凪の好きなものはカカオ80%のチョコレート。終業式をさぼることも平気で、クラスで群れたりするのが苦手な自立心の強い女の子です。

 夏休みに入ってすぐクラスメイトの雪絵が「一週間くらいで戻ります。合宿にでも参加するんだと思ってください。心配しないで」という書き置きを残して姿を消してしまいます。直前にさほど親しいわけでもないのに雪絵に頼まれて洋服を買うのに付き合っていた凪。ボランティア活動に励み、おとなしくてマジメな雪絵がどうして?と気乗りしないながらも凪は彼女を探すことに。しかし次第に事件に巻き込まれてしまい・・・。

 

 凪が雪絵を探すわずか6日間のできごとの物語なので、あっという間に読めてしまうのですが、高校生だからこそままならない現実、友達や家族との関係、理想と現実のギャップ、そして成長などやいろいろなものがぎゅっと凝縮されているような小説でもあります。夏休みにぜひ読んでみてください。(う)

 

 この他にも夏にぴったりな本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『夏季限定トロピカルパフェ事件』
 米澤 穂信 著
 東京創元社
 F/ホ68/12
テキスト ボックス: 『月のころはさらなり』
 井口/ひろみ 著
 新潮社
 F/イ288/1
テキスト ボックス: 『カカオ80%の夏』
 永井 するみ著
 理論社
 F/ナ21/30