福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室 |
8月のおすすめ本 |
夏から秋にかけて職場体験に行く予定の人も多いのではないでしょうか?県立図書館にも中学生や高校生が来る予定です。 誰もが知っている仕事から、あまり知られていない仕事まで、社会にはたくさんの仕事があります。 今回は仕事や働くことに関する本を集めました。 (リストはこちら。予約もできます!) |
「あなたの将来の夢はなんですか? 」中高生くらいになってくると、そう問われる機会が増えてくると思います。でも、皆さんのなかには、「まだ、考え中。」や「とりあえずは決まっているけど…」という人もきっと多いはず。まだまだ可能性はたくさんあります!あせることなく、自分と向き合いながら、ゆっくり決めていけばいいと思います。ただ、だからといって、今はなにも始めることができないということではありません。「何かはじめたいけど何をしていいか分からない」という不安な気持ちを抱えているあなたは、いまのうちに「言葉の力」を磨いてみませんか? みなさんは、きっと日本語を話すことができますよね。日本で生まれ、また育ってきた人であれば、「当たり前だ」と思われるかもしれません。しかし、インターネットが発達し、「情報社会」とよばれる現在においても、最終的にその人の印象や魅力を伝えるための有効なツールは「言語」であり、「会話能力」また「コミュニケーション能力」です。そして、母国語であるからという理由で、「その言語で自分を表現することができる」というわけではありません。この本の著者である金田一秀穂さんは、お父さんもおじいさんも言語学者であり、ご本人も同じ道を歩んできました。しかし、そんな著者も、高校時代は「劣等生」(本文より)であり、大学卒業後の「ニート生活」時代を経て、「言葉」と生きる人生を模索してきたそうです。この本は、あなたが将来社会に出たときだけではなく、いまからでも友達や周囲の人との間に使える、「日本語上達法」が解説してあります。また、若いみなさんが「自分自身をしっかりと表現できるような人間になってほしい」という著者の思いが込められた一冊でもあります。この夏、ぜひ手にとってみてください。(の) |
「今日は最高だったなー」そう思える日がときにあります。子どもから大人まで、バスに乗るみなさん全員が旅行を楽しんでくださって、最後に「ガイドさんとまた会いたいなー」と言いながらたくさんの人が握手をしてくれ、笑顔で帰ってくださった日です(本文より)。 福岡県鞍手郡生まれの木島亜里沙さんが、奈良交通のバスガイドのお仕事の魅力を紹介してくれます。 「・・・私よりももっとがんばっている人はたくさんいるはず。続けていれば必ず楽しいことがあるし、多くのことを学べる。そう思いながら八年間続けてきました。今ではしんどい思いをした以上に楽しいことがたくさんあります。」と言い切ります。彼女の前向きな姿勢に、自分の仕事に対する誇り、自信、そしてひたむきな努力を見ることができます。 入社してまず、分厚いテキストの暗記に苦労しました。確認帳を3年間で100冊もつくりました。厳しい寮生活の中で、仲間と共に励ましあいました。自分らしい自分だけのガイドを確立して、お客様を楽しませる木島さんには、指名が年に40件以上来るまでになりました。 この本には、奈良観光の見所や、いろいろなお客様とのエピソードなど、興味が湧いてくるお話もいっぱいです。 きっと、あなたもバス旅行に行って、輝くバスガイドさんの働く姿を目にしたくなるでしょう。 (わ) |
裁判所に行ったこと、行ってみようと思ったことはありますか?大体の人がない!と答えるのではないのでしょうか?かくいう私も前を通ることはありますが、行ったことはありません。あの建物の中で一体何が行われているのか、どんな人たちが働いているのか、気になりませんか?実は、誰でも無料で裁判を傍聴することができるのです。許可も申込みもいりません。テレビドラマではよく見かける弁護士の仕事がどんなものか、黒い法衣を着てかっこいい裁判官がどんな人か実際に見ることができるのです。 無罪か有罪かで人の一生を変えてしまう判決は、どのように決められるのでしょうか? 裁判を起こされた人は「被告」といいますが、被告にはちゃんと「弁護士」がついて弁護してくれます。反対に裁判を起こした人は「原告」、原告の味方は「検察官」です。原告側と被告側でそれぞれの主張をして、最後にまとめて判決を言い渡すのが「裁判長」です。これだけわかったら大丈夫。まずは傍聴に行きましょう。裁判の内容をよく聞いて、自分なりに考えて、心の中で判決を言い渡せば「気分はもう、裁判長」です!(き) |
会社に勤めている人は、お給料から税金が天引きされています。しかし、税務署に行って自分で税金を納めている人もたくさんいます。そして、払いたくても払えない、払えるけれども払いたくないなど様々な理由によって納めるべき税金を納めていない人も。 主人公は東京国税局京橋地区税務署の新米徴収官。すぐに言葉につまって「ぐっ」と言ってしまうことからぐー子という不名誉なあだ名をつけられ、差し押さえに向かった先で滞納者にぬか味噌をなげつけられたり、世間から嫌われる徴収官という自分の仕事に疑問を持ちながらも、滞納者や自分と向き合って成長していきます。 ハスキー犬よりも顔が怖く、死神と恐れられているエリート上司・鏡や個性豊かな同僚、そして様々な背景を持つ滞納者たちとのやりとりが面白いのはもちろんですが、時に悪質な手を使う滞納者たちにも負けずに頑張るぐー子を思わず応援したくなります。 税金を題材にした小説なんてと言わずにぜひ読んでみてください。(う) |
漫画家、通信講座の講師、プラネタリウムの解説員、ディスプレイデザイナー、スポーツ・ライター、ツアー・コンダクター。このアンソロジーに登場する女性たちの職業です。毎日どんな風に仕事をしているか気になりませんか? 華やかに見える仕事だって人気が次第になくなったり、後輩に抜かされたり、決して楽しいことばかりではありません。でも、嬉しいことももちろんあります。6つの職業につく6人の主人公たちだけでなく、働いている人はみんなきっとつらいことも嬉しいことも経験しながら仕事に取り組んでいるはずです。 これから社会に出ていくという人にも、毎日毎日仕事に追われてちょっと疲れたなという人にも、エールを送ってくれる一冊です。 ちなみに「エール2」ではスイミングインストラクターや遺品整理会社社員などが登場します。(う) |
この他にも仕事や働くことに関する本を集めています。 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。) |