福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

9月のおすすめ本

横巻き: 本で旅する世界

 海外に行ってみたいけれど、実際に行くのはなかなか大変ですよね。しかし、本の中でならどんな遠いところでもページを開けばすぐに行くことができます。

今回は外国に関する本を集めました。

 (リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『一冊でわかるすべて見える世界遺産 』
  ロム・インターナショナル/編 
 成美堂出版 709//79

「世界遺産」とは何か、知っていますか?

世界遺産は、過去から引き継がれてきた人類の遺産を、国際的に協力しあって、保護、あるいは保存し、未来へと受け継いでいこうとする考えに基づき選定されています。

また、いくつかの分類があります。美しい大聖堂モン・サン・ミシェルとその湾は文化遺産、独自の生態系を持つカラパゴス諸島は自然遺産、自然遺産と文化遺産の両方を兼ね備えたものを複合遺産としています。

この本では、アンコール、厳島神社などの世界遺産を、ダイナミックな空撮写真で紹介します。CG、クローズアップ写真、図を多用し、その全容をわかりやすく解説しています。

世界にはこんなに壮大で不思議で楽しいものがあったのだと驚くこと間違いなしです。

さあ、世界一周の旅に出かけませんか。(も)

テキスト ボックス: 『それいけ小学生!ボクたちの
 世界界一周 』
   かやのたかゆき&ひかる
  久米美都子・編
 石風社 290/9/445

みなさんは外国に行ったことがありますか?日本にいても新聞やニュース、インターネットなどで世界のことを見聞きすることができます。しかし、実際に外国に行って

異文化に触れ、人との出会いを通して初めて気付かされることもあると思います。

 今回紹介する『それゆけ小学生!ボクたちの世界一周』は、中南米、アフリカ、中東、東南アジアの国々を一年間、家族4人で旅をした記録です。なんと一年間の旅の総費用は500万円!家族4人での世界一周旅行は、友達との出会いや新しい発見など楽しいことがいっぱいですが時にはケンカをしたり、強盗に襲われたり危険な目に遭うこともあります。しかし、どんなときも家族4人で力を合わせて乗り越えていきます。

 この旅行記は、小学5年生のたかゆき君と小学3年生のひかる君の視点で書かれており、大人から子どもまで楽しめます。ぜひみなさんもこの本を読んで、ドキドキワクワクの世界一周旅行に出かけてみませんか。(し)

中学生のキリコはイタリア人の父親と日本人の母親と日本で暮らしていました。しかし、父親が不運な事故で亡くなり、また後を追うようにイタリアに住んでいた祖父までもが亡くなった知らせを受けます。そして祖父の遺産である築300年の建物を相続するために母親と二人、イタリアで生活することになりました。

父親の死がきっかけとなった母親との確執も残ったまま、カフェをオープンするための準備の手伝い、学年を落とさないで編入するための猛勉強、と忙しい日々が始まります。幸い、お隣に住む天使のように美しく優しいダヴィデとへそ曲がりで口の悪いアンドレアの兄弟のおかげで新しい生活にも早く馴染みます。

また、キリコの母親の作るブリオッシュ(クロワッサンのようなパン)やコーヒー登場する場面では焼きたての美味しそうなブリオッシュと美味しそうなコーヒーの香りが想像でき思わずお腹がすいてしまいます。これを食べにぜひミラノに行きたい!と思うこと間違いなしです!(い)

 朝起きて、ご飯を食べて、学校へ行き、授業を受けて、放課後は部活をしたり友達とおしゃべりしたり・・その後は家に帰ってご飯を食べて、宿題をしてお風呂に入って、また明日の為に目覚ましをかけ、布団に入って眠りにつく。あなたはそんな日常をどんな風に感じて生きているだろう。

 それは日本に暮らす学生にとってはありふれた、ごくごく普通の生活であろうし、そこに何かしらの疑問を抱いたり、心の底から感謝の念を抱くことなど、きっとほとんど無いだろう。

 でもそれは私達が日本という国に生まれ育ったからで、私達にとって当たり前でごく普通の日常は少し離れた異国に住む人から見れば、全くもって普通ではないのだ。あなたにとって疑いようのない真理や正義も、この小さな国を出てしまえば必ずしも正しいとは限らない。そしてそういった事実は、こうして文章で読んだりテレビを通して見たりするだけでは芯からの実感を伴って心に入ってくることはなかなか無い類のものだ。

 本書には百人の大学生の旅の記録が、彼らの率直な感想や感情でありのまま綴られている。故に異文化と触れ合った時に生まれる戸惑いや感動、そしてそれを経て自分と向き合う彼らの葛藤が非常にリアルに伝わってくる。そう、異国を理解しようとすることは同時に自身の内奥を探ることなのだと、本書は語っている。だが、あくまでこの本は旅への招待状≠ノ過ぎない。今後当たり前に過ぎていく毎日の中で、旅に出る理由を見つけ出せるかどうかは、いつだって貴方次第なのだ。(や)

 エフェンディとは学問を修めた人に対する敬称のことで、滞土録の土とは土耳古(トルコ)のことです。つまりこの本は村田君という学者のトルコでの滞在記という形をとった小説なのです。といっても堅苦しい本ではありません。

 時は今から約100年前の19世紀末、村田君は文化研究のためにトルコに招聘されます。同じ下宿にはギリシャ人とドイツ人の学者も滞在し、大音量で話す鸚鵡もいるにぎやかな生活です。見るものすべてが珍しいスタンブールの町、文化の違う友人たちとの交流、ちょっと人間くさい神様まで登場する、そんなかけがえのない日々が続いていました。その様子が町の喧騒まで聞こえてきそうな文章で描かれていて、村田君と一緒にスタンブールの町に迷い込んだかのようです。しかし、やがてそんな穏やかな生活に影を落とす出来事が起きてしまいます。

 最初は少し退屈だなと思う人もいるかもしれませんが、ぜひ最後の鸚鵡の言葉まで読んでみてください。(う)

 

 この他にも仕事働くことに関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『カフェ・デ・キリコ 』
 佐藤まどか 著
 講談社
 F/サ245/1
テキスト ボックス: 『僕が旅に出る理由 』
 日本ドリームプロジェクト 編
 いろは出版
 290/9/529
テキスト ボックス: 『村田エフェンデイ滞土録』
 梨木 香歩著
 角川書店
 913/ナシキ