福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

2月のおすすめ本

横巻き: 冬から春へ

 まだまだ寒い日が続いていますが、暦の上では立春もすぎ、春が近づいています。

今回は冬と春に関する本を集めました。

(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『夜空と星の物語』 
   パイインターナショナル
   443/8/57

いよいよ寒さもきびしくなってきました。春の訪れが待ち遠しいですね。もう寒いのはこりごりと思っている人も多いのではないでしょうか?

でもこの寒い季節だからこそ楽しめることもあります。例えば、星空。冬は空気が澄んでいて、ほかの季節より星がよく見えます。晴れた日は夜空を見上げて星座を探してみませんか?

この『夜空と星の物語』は、星座にまつわる物語と素敵な星空の写真を紹介しています。

みなさんがよく知っているであろうオリオン座は冬の星座の代表で、3つ並んだ星を探せば簡単にみつかります。でもこの星座にどんな物語があるかご存知ですか。

妹アルテミスとオリオンの付き合いが気に入らない兄のアポロンは、オリオンの冠を金色に塗り、妹に「あの金の光を遠くから射抜くことはできないだろう」とけしかけます。怒った妹はよく確認せずに金の光を射抜いてしまいます…。

こんな悲しい物語があったことを知ると、オリオン座がいつもとは違って見えるのではないでしょうか。

 星がきれいに見える夜は、温かい飲み物でも飲みながらロマンチックな星空観察を楽しんでみてはいかがですか?(き)

テキスト ボックス: 『絵本の中のおいしいスープ』
     東條 真千子/著
インフォレスト
596//827

 「さつまいもと栗のスープ」「いろいろお豆とシーチキンのスープ」「かぼちゃスープ」「キャベツとベーコンのあさりトマトスープ」「はちみつとクルミのカスタードスープ」などなど。寒い冬に、温かいこれらのスープを、飲んでみたくなりませんか?

 この本では、絵本の中に出てきたスープを、作者の東條真千子氏がオリジナルで再現したレシピを紹介しています。5つの国である、どうぶつの国・おもいでの国・不思議の国・はぐくみの国・しあわせの国から構成されています。

 例えば、どうぶつの国をのぞいてみましょう。「いろいろきのこのクリームスープ」が出てくるのは、ねずみの大家族が協力してあさごはんをつくる『14ひきのあさごはん』です。絵本の一場面と共に、おいしそうなきのこのスープがページに収められています。絵本のあらすじも載っており、子どもの頃に読んだ物語を思い出すでしょう。眺めるだけでもワクワクしてくるレシピ本です。

 「こどもとつくる」と副題にあるように、小さいお子さんから作れる易しい調理法なので、肩肘張らずに気軽に作れます。

 物語もスープの味も一緒に楽しめる、まさに心も身体も温まるスープのレシピ本。この寒い冬は、ぜひ、皆が笑顔になれるおいしいスープを飲んで、過ごしてみませんか?(わ)

 春の兆しが見え隠れする今日この頃、新年を迎えたと思ったら、あっという間に二月に入りました。この冬は、みなさんにとってどんな出来事がありましたか?今回ご紹介する本のテーマは「冬の本」です。
 いま、福岡市博物館では、この冬のおわりにすてきな催しが行われています。只今開催中(1/153/2)の「光の賛歌 印象派展」は、世界7カ国37館から「印象派」と呼ばれる名画の数々が日本の、それも福岡にいながらにして鑑賞できる展覧会です。印象派という言葉自体には馴染みがないかもしれませんが、みなさんが美術の教科書で目にしたことのある絵画がたくさんあるはず。また、印象派の絵画の中には、19世紀後半頃にヨーロッパで起こった「日本ブーム」の影響が色濃く現れるものも多くあります。この本で、そんな当時の時代背景やその絵画の見所などを勉強していくと、さらに違った視点からも楽しめるはずです。
 この冬の思い出のひとつに、足を運んでみてはいかがでしょうか?(の)

 人を惹きつける言葉の巧みさや語彙の豊富さ。昨今では、そん

な「魅力的な話し方」についての本を多く目にするようになりま

したが、みなさんがそういったものに興味をもったとき、教えを

請う相手は案外近くにいるかもしれません。
ノーベル文学賞受賞作家である川端康成の小説『雪国』の冒頭はあまりにも有名です。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。

この数行の間に、読者があっという間にこの小説の世界に引き

込まれるような書き出しの上手さ。この小説を読んだことはなく

とも、この部分を暗唱できる人は、多いのではないでしょうか。

表現の豊かさとは、必ずしもそれを日常で使うことを意味するわけではありません。確かに、いくら美しい表現だからと言っても、それを使うことのできる「場」には制限があります。しかし、日本人が培ってきた独特の繊細さやそれを美しいと思う感覚を育むこと。それらを共有し理解する近道は、わたしたち日本人に愛され読み継がれてきた作品を、まずは手に取るところから始まるのかもしれません。(の)

 『秘密の花園』はとても有名な本なので、読んだことがある人も多いと思います。読んだことのある人も、タイトルだけは知っていた人も、まだまだ寒い日が続くけれど、着実に春に近づいているこの季節にこの本を読んでみませんか?

 

 両親を亡くしたメアリーは荒れ果てたムーアと呼ばれる地にある屋敷に住む叔父に引き取られます。そこには壁に囲まれた秘密の庭園がありました。その庭を蘇えらせようとしていくうちにメアリー達にも変化が訪れるようになります。

 春になって何もなかった地面から植物の芽が出てきたり、花が咲いたり、コマドリたちがやってくる様子は本当に楽しそうで、ますます春が待ち遠しくなるかもしれません。(う)

 この他にも冬や春に関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『すぐわかる画家別印象派絵画のみかた 』
 小林/司 著
 河出書房新社
 723/05/44
テキスト ボックス: 『雪国』日本文学全集39より
 川端/康成 著
 集英社
 F/カ8/42
テキスト ボックス: 『秘密の花園』
 バーネット著
 光文社
 F/B2/11
3コーンスープのイラスト