福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

3月のおすすめ本

横巻き: ファンタジーの世界

 ファンタジー小説といえばハリー・ポッターや指輪物語など映画なった小説を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、その他にも面白いファンタジー小説はたくさんあります。今回はファンタジーに関する本を集めました。(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『楽園の蓮 はじまりを歌う少女』
喜多 みどり/著 
角川書店
  F/キ164/2

今回ご紹介する本は、『楽園の蓮 はじまりを歌う少女』です。この物語の主人公である天野蓮は、信じていた友人に裏切られ、ショックのあまり教室を飛び出してしまいます。そして、自宅の庭で瀕死の鳥を助けたことで彼女の運命は大きく変わります。

 訳あって小鳥に姿を変えられていた異世界の神パンの魂が、彼女の愛犬ハチローに乗り移り、パンの導きによって蓮は異世界に連れてこられてしまいます。

 蓮が連れてこられた理由は終焉を迎えようとしているパンが住

む世界を救うシンショ(予言書)の娘だったからなのです!ごく

普通の中学生の蓮はシンショの娘としての役割を果たし、無事に

元の世界に戻ることができるでしょうか。

 物語の最後まで目が離せない展開になっており、ファンタジー好きの方はもちろんのこと、普段ファンタジーを読まない方でも楽しめると思います。読み進めるにしたがってごく普通の中学生である蓮がなぜシンショの娘に選ばれたかが分かるはずです。

 みなさんもまっすぐな心を持った正義感あふれる女の子の蓮と一緒にファンタジーの世界を旅してみませんか。(し)

テキスト ボックス: 『七人の魔法使い』
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著徳間書店
  930/シヨン/S

 ある日突然「ゴロツキ」がハワードの家に居座ってしまいます。ハワードは「ゴロツキ」を追い払おうと調べていくうちに様々なことが分かっていきます。「ゴ ロツキ」を派遣したのは町を陰で支配している魔法使いの一人であること、その魔法使いは七人きょうだいであること、作家であるハワードの父親が書く原稿の せいで魔法使いたちは町から出らないこと。魔法使いたちに振りまわされながらも次から次へと出てくる謎を追い求めていくうちにハワードはとんでもない真相 に気づくのですが
 

 作者はジブリ映画「ハウルの動く城」の原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズです。「ハウルの動く城」のように彼女の書く作品はどれも日常のすぐそこに魔法 があり、とてもワクワクさせてくれます。そして最後には大きなどんでん返しのような真相が隠されています。もちろんこの作品も例外ではありません。
 ハワードのたどり着いたとんでもない真相に驚くことは間違いありません!ぜひ、ご自身でその真相を確かめてみてください。(い)

 19世紀初頭、ナポレオン戦争の時代、人は巨大なドラゴンに乗り込み、苛烈な空中戦を展開していました。海軍将校ローレンスは、奪取したフランス艦でドラゴンの卵を見つけます。やがて孵化したものは、希少種のドラゴンでした。ドラゴンの名前はテメレア。テメレアはローレンスをパートナー(乗り手)に選びます。こうして海軍将校だったローレンスは飛行士としてテメレアと共に戦場に出ることになったのです。

 史実に沿って書かれている中に、「ドラゴン」という架空の要素が加わっているのがおもしろいです。読み始めたら止まらない、壮大な歴史ファンタジーです。あと、テメレアがとてもかわいいです。ドラゴン好きな方必見です。ドラゴンに特に興味なかった方は、ドラゴン好きになるかも!?

 なお、シリーズは続刊中で5巻まで所蔵しています。(も)

るりゆーる〉という言葉は、多くの人にとって耳馴染みのない、少し不思議な言葉なのではないでしょうか。声に出してみるとなんだか丸くて柔らかいその音はどこか可愛らしく、口の中でずっと転がしていたくなるキャンディーのように、甘い響きをもっていますよね。あなたはこの言葉の意味をご存知ですか?

ルリユールとは、フランス語で「reliure」、日本語では製本・装丁、またはその技術のことを指します。フランスのパリで16世紀ごろ生まれた技術であり、日本では認知度の低い職業ですが、日本にもちゃんとルリユールの工房は存在するんですよ。ただし、本書に登場するような赤い髪の美しい魔女が働く、消えたり現れたりする不思議な工房は、きっと無いでしょうけれど。

 

本を愛する人々が織りなす、小さいけれどキラキラした奇跡を集めて紡がれていくこの物語は、きっとあなたの心にもキラキラ爆ぜる小さな灯をともし、明日世界のどこかで起こる奇跡の存在を信じてみたくさせるでしょう。

新生活にまだ馴染めず、不安ばかりで希望を見出せないあなたへ、是非お勧めしたい一冊です。(や)

 学校や部活などで忙しくて、一日が二十四時間じゃ足りないと思っている人はいませんか?確かに時間はとても大切なものですが、いつも何かに追われているように生活するのも楽しくないですよね。でも、もしかしたら余裕がないのは灰色の男たちがやって来て時間を盗んでしまったからかもしれません。

 

 「モモ」の中に登場する彼らは自分たちを時間貯蓄銀行と称しており、町の人々に時間を節約し、そしてそれを貯蓄しませんかとすすめます。人々はそれに従いますが、彼らが時間を盗んでしまうせいで、心に余裕が生まれるどころかどんどん焦っていきます。そこでちょっと不思議な女の子、モモが時間の国に行き、奪われた時間を取り戻そうとします。

 忙しくて本を読む時間がない、なんて言わずにぜひ読んでみてください。(う)

 この他にもファンタジーに関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『テメレア戦記 1気高き王家の翼』
 ナオミ・ノヴィク 著
 ヴィレッジブックス
 F/N68/1-1B
テキスト ボックス: 『ルリユール』
 村山/早紀 著
 ポプラ社
 F/ム45/5
テキスト ボックス: 『モモ』
 ミヒャエル・エンデ著
 岩波書店
 940/エンテ