福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

2月のおすすめ本

横巻き: バレンタイン特集

2月14日のバレンタインデーに

ちなんで愛に関する本やお菓子に関する本を集めました。

(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『初恋素描帖』
  豊島 ミホ/著 
    メディアファクトリー
  F/ト75/12

今回ご紹介する『初恋素描帖』は思春期まっさかりの中学2年生×20人の男女それぞれの「ままならぬ想い」が描かれた連作短編集です。22組の個性豊かな面々が繰り広げる恋模様は、甘酸っぱくどこか不器用でまさに思春期という感じがします。

片想いの子もいれば両想いの子もあり、恋愛には縁遠い子もいてそれぞれの想い方はさまざまです。各話ごとに主人公が入れ替わり、1話だけでも楽しめるし、読み進めるにしたがってクラスメイト同士の関係性もみえてくるといった楽しみ方もできます。クラスの人気者も内気な性格の子も部活に汗を流している子もみんなそれぞれに初めての想いに戸惑ったり、恋の悩みを抱えていたりして思わずあるあるとうなずいてしまいます。

 

 十代の甘酸っぱくもかけがえのないきらきらとした日常を描いたおすすめの一冊です。浅野いにおさんの描く可愛らしいイラストにも注目です。

(し)

 

テキスト ボックス: 『しろいうさぎとくろいうさぎ』
   ガース・ウイリアムズ/文・絵
福音館書店
E/シ

この絵本を子どものころに読んでもらったことがあるという人も多いのではないでしょうか。1965年に日本で出版されてから今年で50年、長い間読み継がれている絵本です。なぜこの絵本を今回ご紹介するかというと、この本の原題は『The Rabbit’s Wedding』。そう、うさぎが結婚するお話です。

 

広い森の中に住んでいるしろいうさぎとくろいうさぎ。二匹は毎日一緒に楽しく遊んでいました。けれども、くろいうさぎは遊んでいる最中、何度も座り込んでは悲しい顔をします。しろいうさぎが「どうしたの?」と尋ねると、くろいうさぎは「ぼく、ちょっとかんがえてたんだ」と答えます。くろいうさぎは、しろいうさぎと遊ぶ度に考えていたのです。いつも いつも、いつまでも、しろいうさぎと一緒にいられますように、と。

 

子どものころに読んだり見たりしたことがあるという人も、もう一度読んでみると違った印象をうけるかもしれません。絵本って子どもが読むものだなんて思わずに、ぜひページを開いてみてくださいね。繊細なタッチで描かれた絵にも注目です! (しん)

 

これは女の子の失恋の物語です。けれども、泣いたり悩んだりするだけではありません。異世界で大冒険をします。しかも、人間としてではなく、魔神族(ジン)としてです。

一番の親友に好きな男の子を取られたことを知った、主人公のひろみ。そして、ひろみの15歳の誕生日プレゼントに、2人の初デートのおみやげの品をもらうという、最悪の誕生日を迎えます。ひろみは、失恋の痛手から「あたしはあたしでいることを、やめたい」 と思います。泣き疲れて眠ってしまい、ふと目を覚ますと、目の前にはなぜか、頭にターバンを巻いた若い男が立っていました。しかも、ひろみのことを「ジン」と呼びます。そこはアラビアンナイトの世界。ひろみは、男が持っていた壺から頭だけひっぱりだされていたのです。この世界で、ひろみは魔神族(ジン)のジャニとして存在しています。その男ハ−ルーンと一緒に冒険に出かけ、海や砂漠を旅したり、王宮の陰謀に巻き込まれたりしていくのです。

この本のタイトル『これは王国のかぎ』の意味とは、いったいなんなのでしょうか。本を開いたら、プロローグの前に書いてある、マザーグースの詩「これはおうこくのかぎ」を読むのをお忘れなく!(しん)

あまりの顔の醜くさに社会からも両親からも見放された鈴木誠は、洋楽雑誌にビートルズの評論を書くことで初めて社会とつながっていました。ある日誠は、その雑誌がきっかけとなった偶然が重なり、車の助手席にモデルの美縞絵里を乗せることになりました。今まで女性と無縁だった誠はただそれだけのことで動転し、絵里に心を奪われます。

はじめは絵里が心配で、彼女の家の近所で様子を見ているだけだった誠ですが、彼女が出かけるときは後をつけたり、彼女の家の付近に事務所を借りて家の中の様子も観察したり、ビデオを仕掛けて撮影したりしていきます。

こうして誠の行動を追っていると「ストーカーの物語じゃないか」と思われるでしょうが、これは決してストーカーのゆがんだ愛の物語ではありません。自分の一生を捧げる深い愛の物語です。最後まで読み進めないと気づくことが出来ませんが、こういう愛の形があるというのも知ってもらいたいので、ぜひ最後までお読みください。

 

    生まれたときから誰にも愛されたことがない男が、初めて人を愛するということを知る。ただそれだけのことなのです。(い)

このお話は、綾の恋人である一哉が亡くなったことから物語が始まります。一哉の通夜の後、綾の携帯に一哉から電話がかかってきます。相手は亡くなったはずの一哉自身からで、亡くなったのは綾の方であることを告げられます。二人はお互いが死んでしまったパラレルワールドに存在し、携帯電話で繋がったのです。

恋人と言っても一度も会ったことがなかったので、お互いが亡くなる前と同じように電話でやり取りを続けていました。しかし、話しているうちに相手がもう死んでしまったということを実感してどうして死んでしまったのかとお互いを責めます。そこで初めて自分の死の原因を聞くのですが、その原因に心当たりがなく、殺された可能性が出てきます。そこでそれぞれの世界で恋人を殺した犯人を捜していくのですが・・・。

 

それぞれの世界の違いはほとんどなく、大きな違いと言えば死に関することだけです。電話では相手が生きいて話をしているのに、自分の世界では死んでいて実際に触れることも会うこともできない。このもどかしさを抱えた二人の結末は想像しやすいかもしれませんが、ぜひともご自身の目で確かめてください。(い)

 この他にも恋愛小説やお菓子に関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『これは王国のかぎ』
 荻原/規子 著
 理論社
 913/オ
テキスト ボックス: 『ラバー・ソウル』
 井上/夢人 著
 講談社
 F/イ161/6
テキスト ボックス: 『パララバ 』
 静月 遠火/著
 アスキーメディアワークス 
 F/シ213/1
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