福岡県立図書館 青少年と暮らしの交流室

3月のおすすめ本

横巻き: 星に願いを

 暦の上ではとっくに春ですが、まだまだ夜は寒く、空気も澄んでいて星がたくさん見えます。今回は星や空、宇宙に関する本を集めました。

(リストはこちら。予約もできます!)

円形吹き出し: すべて貸出できます
貸出中の本は予約できます
テキスト ボックス: 『夜空と月の物語 』
パイイインターナショナル
  446//27

小さいころお月様にはウサギが住んでいて、十五夜になると餅つきをしているのだと聞いたことはありませんか。日本や中国、韓国では、ウサギがたき火に身を投じて飢えた人を助けた善行により、神様がお月様にウサギの姿を写したのだというお話からウサギが住んでいるといわれますが、南ヨーロッパでは大きなハサミのカニ、東ヨーロッパでは女性の横顔、アラビアはライオン、モンゴルでは嘘をつくと吠える犬だと言われています。月は地球に対しいつも同じ方向を向いて回っているのに、見ている場所・人間が変わればこんなに違うものに見えるなんて不思議ですね。

 この本には夜空の写真と一緒に、みなさんが一度は耳にしたことがあるかもしれないお話から、同じ国の中でも地方によってまったく違う言い伝えなど、30の国や地域に伝わっているお月様にまつわるお話と、お月様に関係する神様や伝説、言葉や国旗などの小話、月の満ち欠けなどの豆知識、絵画などが載っています。

 美しい夜空の写真とともに、月の物語を巡ってみてはいかがでしょうか。(お)

テキスト ボックス: 『アインシュタイン痛快!宇宙論 』
村山 斉/監修 
集英社インターナショナル
  443/9/152

みなさんは、夜空を見上げ、星の光がどれくらいの時間をかけて地球に到達するのか考えてみたことがありますか?光の速さは秒速約30万キロメートル、一秒ちょっとで月まで到着します。1光年はおよそ94500億キロメートルだそうです。

 

この本では、ひょっこりよみがえったアインシュタイン博士に連れられて、3200光年のはるか宇宙のかなたから、星の光になって壮大な旅をします。星の光が地球にたどりつき、あなたの目を通って脳に達するまでの間に、宇宙や星は一体どんな姿をしているのか、科学者たちが想像し、新しいアイディアを考え、証明に取り組んできた姿や、天文学や物理学や人間の歴史についても、おしゃべりなアインシュタインが教えてくれます。太陽が輝いている理由や原子爆弾の仕組み、量子力学やブラックホール、目のしくみや人間の脳の神秘などなど、ものすごい情報量が詰め込まれているため、頭の中でビッグバンが起きたようになるのですが、ありがたいことにマンガなので、不思議と読めてしまうゆかいな本です。(や)

 宇宙ってなんだろう?誰しもが一度は抱いたであろうこの疑問。その明確な答えは未だに分からずじまいのままです。そこで、おすすめしたいのがこちらの一冊です。小さな子どもから、お年寄りまでの幅広い層から宇宙に関する疑問、質問を募り、一問一答形式でまとめてあります。

 「宇宙人はいるの?」「どこから宇宙なのですか?」「宇宙はどんな形をしていますか?」などなど。素朴な質問から専門家もうなるような鋭い質問まで様々です。もちろん、宇宙については、まだまだ未知の部分が多く全ての質問に完全な答えがあるわけではありません。解明されていない質問に対しては、分かりませんと答える潔さも魅力です。

 

個人的に衝撃を受けたものは、「宇宙はベージュ色です。」ということです。え?ベージュ?何が?どこが?これを読んだ時はかなりの衝撃でした。また、「宇宙は無から誕生したと考えられます。」これはもう、「はぁ、そうなんですね・・・。」としか言いようがありません。どうですか、読みたくなってきたでしょう。読み進めていくと、宇宙の最先端の研究をしている科学者も、根本に持っている疑問というのは我々とあまり変わらないのではないかと思えてきました。宇宙がちょっと身近に感じられてきました。いや、我々も含めて、宇宙なのでしょうけどね。(牛)

 

 

 今回ご紹介する本は『はやぶさ君の冒険日誌』です。

昨年末は、はやぶさの後継機であるはやぶさ2の打ち上げが成功し話題となりましたが、そもそも、なぜはやぶさと呼ばれているか知っていますか?本書によると、鷹が上空から狙った獲物を確実に捕らえる様に、探査機もイトカワ(小惑星の名)に着陸し、上手くカケラを採取できるようにと願いをこめてはやぶさと名付けられたそうです。

 

 はやぶさの誕生から帰還までの7年間現場スタッフとして活躍された方が著作者というのもあって、かなり詳しい内容で様々なエピソードが語られており、専門用語なども出てきます。しかし、はやぶさ目線で文章表現がされていて、イラストや写真も一緒に記載されているので、イメージがしやすく大人から子どもまで親しみやすい一冊です。

 

 ページをめくる度に、次はどんな話なのだろう、何があったのだろうとわくわくするような展開が楽しめる一冊です。ぜひ読んでみてください。(さ)

 オリオン座と言えば星に詳しくないという人にも見つけやすい代表的な冬の星座です。この星座だけは分かるという人もいるのではないでしょうか。一方で、この本に出てくるオリオン座はタイトル通り紙コップとキャンドルで地面に描かれています。

  

 表紙の裏には『迷惑をかけずに存在できるものなんか、どこにもないのよ』という本文中の言葉が書かれており、ちょっとびっくりするかもしれません。主人公の論理は中学二年生。置手紙一枚で旅に出てしまった母親、自由奔放な妹、そして学校の創立記念行事として行うことになったキャンドルナイトなど様々な、しかしはたから見れば小さな出来事に翻弄されながら、この言葉の意味を知り、成長していきます。

 主人公が周りの人と協力して作り上げた地上の星座、ろうそくの柔らかな光が目に浮かぶ小説です。ぜひまだ寒いうちに読んで夜空を見上げてみてください。(う)

 この他にも星や宇宙、空に関する本を集めています。

 ぜひご覧ください。 (予約もできるリストはこちら。)

テキスト ボックス: 『宇宙100の謎  』
 福井康夫 監修
 角川書店
 440/4/180
テキスト ボックス: 『はやぶさ君の冒険日誌』 
小野瀬 直美/著
毎日新聞社
538/9/203

テキスト ボックス: 『紙コップのオリオン』
 市川朔久子/著
 講談社
 F/イ377/1