青少年と暮らしの交流室でカウンター業務に携わっている図書館員が、中高生時代に読んでいたおすすめの1冊をご紹介します。また、中高生に今、読んで欲しい本を集めました。
哲学者のルネ・デカルトは、「方法序説」の中で、「これからは書を捨てて、自らが経験したものの中から真理を探究する」と言っています。これについては、いろんな解釈ができると思いますが、デカルトは本当にたくさんの本を読みこんだ経験から、そういう思いに至ったのではないかと思われます。
青少年室にあるたくさんの本たちが、あなたのお越しをお待ちしております。
「ぼくらの七日間戦争」 宗田 理/作 / ポプラ社
大人ってわかってない、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか?この物語はそんな気持ちを抱えた中学生たちが大人たちへ反乱を起こした7日間のお話です。廃工場に立てこもりながら、大人たちの悪事をあばき、FMラジオで自分たちの思いを発信する姿は実に爽快!主人公と同年代のみなさんであればわくわくしながら読み進められるはずです。(た)
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「みんなで考えよう世界を見る目が変わる50の事実」ジェシカ・ウィリアムズ/著 / 草思社
私が中高生の頃、海外のニュースを目にする度に、日本は平和なんだなぁと思うことがよくありました。特にこの本を読んでから、自分とは違う環境に生まれ育った人たちは何を考え、何に興味を持ち、どのような慣習や文化で暮らしているのか。知らなかった世界の一部始終を垣間みたように思いました。自分というものをかたち作る世界。その世界は残酷なのか、優しいのか。あなたの世界はどういったもので彩られていますか?(お)
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「日本語を味わう名詩入門 16 茨木のり子」/ あすなろ書房
何かがおこりそうな、新生活が始まる時期です。始まってしまえば、ゆっくり本を読む間もないくらい、がむしゃらに忙しくにぎやかな季節になるかもしれません。それでも、たとえば新しい環境で、ひとり、思いがけなく高熱を出して仕事や学校を休むことになって、何ともいえず、心細く、情けない気持ちになったときに、茨木のり子さんの詩は、沁みてくるのです。日本語で書かれた、清冽な詩を心のひきだしにしのばせてみてはいかがでしょうか。(や)
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「GO」 金城 一紀/著 / 角川書店
いわゆるど青春小説です。私が初めてこの本を読んだのは高校生のときでした。いや~、一気に読みました。何度も読みました。この本の何がいいって、疾走感ですね。全力でダッシュしてもあんまり疲れなかった、次の日に筋肉痛にならなかった、あの頃の疾走感です。あれから10数年の時を経て、また読み返してみました。私の体は衰えてきましたが、この本から受ける疾走感は全くおとろえていませんでした。今後も体の節々が痛くなるたびに読み返すことでしょう。(う)
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「村上龍」 村上 龍/著 / 文藝春秋
村上龍は、私が高校生の時よく読んだ作家です。高校の図書館の新着図書コーナーに置いてあった「イン ザ・ミソスープ」を手に取った日のことを今でも覚えています(「イン ザ・ミソスープ」はこの本には収録されていません)。読みながら、高校の図書館に置いていていいものか高校生の私は一人でドキドキしました。村上龍の退廃的な世界に魅了されました。(早)
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「村上春樹」 村上 春樹/著 / 文藝春秋
村上春樹は、私が大学生の時よく読んだ作家です。よく、母親が図書館から借りてきた村上春樹の本を盗み読みしていました。熱に浮かされたように読みました。この本の中で特におすすめは、「かえるくん、東京を救う」という短編です。もし、この短篇が気に入ったら、「神の子どもたちはみな踊る」を読んで欲しいです。(早)
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