今年も暑い夏がやってきました。図書館の夏といえば定番の、ホラー・ミステリー特集です。古典から新作、西洋、東洋いろとりどりのおすすめをそろえてみました。アイスを食べる替わりにホラーやミステリーの本を読んでちょっとヒンヤリしてみませんか。
※ただし、夜におすすめ本を読むのはご注意ください・・・
夢十夜 / 夏目 漱石/作 / パロル舎
蒸し暑く寝苦しい夜、生々しい夢をみて、汗と脱力感とともに目覚めたことがありますか? 『夢十夜』は、「こんな夢を見た。」ではじまる、10の不可思議な夢の話です。意識の底に沈んだ、いつかどこかで、見た・聞いた・感じた断片が絡まりあって夢になるのではないかと妙に納得させられてしまいます。特に、「こんな晩」を土台にした第三夜には、ぞくっとします。没後百年、美しい版画とともに、アバンギャルドで怖い夏目漱石をどうぞ。(や)
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死者はバスに乗って / 三輪チサ/著 / メディアファクトリー
みなさんは、他の人には「見えていない」ものを見たことはありますか?この本は、他の人には「見えていない」幼稚園バスを目撃した3人の元に、死んだはずの人間が帰ってくるという不可解な現象を解明していく物語です。突然現れる正体不明のバスを調べるため共に協力する主人公と刑事、霊感のある大道芸人、次第に正体が明らかになる中、一見関連性のなかった3人の関係とその結末に、人間の愛憎に対する恐怖と哀愁を主人公とともに味わってみてください。(ほ)
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ホートン・ミア館の怖い話 / クリス・プリーストリー/著 / 理論社
暑い夏に、クリスマスを舞台に起こる悲劇をお届けします。イギリスにある「ホートン・ミア館」。ある事件が起きて以来、静まりかえった陰気な雰囲気の館に、一人の少年が招かれます。母を亡くし天涯孤独となった少年に、手を差し伸べる館の主人。主人が少年を招いた目的は? 少年が館を訪れた時から、止まっていた時計が少しずつ動き出し、登場人物それぞれの心の中にある思いや願いが招く悲劇に、あなたは人の恐ろしさを垣間見るかもしれません。(こ)
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黒猫/モルグ街の殺人 / ポー/著 / 光文社
エドガー・アラン・ポーの『黒猫』は、酒におぼれて次第に心と行動のコントロールを失っていく主人公を、ペットの黒猫の存在がじわじわと罪悪感と恐怖を与えながら追い詰めていく物語です。アルコール中毒者の思考や行動、暴力性がとてもリアルで、主人公が感じている恐怖と主人公の行為を客観的に眺める恐怖を二重に味わう緊張感が張り詰めた文章が、160年以上前に書かれていることに驚きます。色鮮やかで怖い映画のような作品です。(や)
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中学生・高校生におすすめする「図書館の定番」の本たち
