田舎の刑事の趣味とお仕事
滝田務雄/著 東京創元社 F/タ288/1
姓名どちらも姓にみえる変わった名前の黒川鈴木。その部下には無能な白石高作に、新人の真面目な赤木忠志。彼らはのどかな田舎の警察署に勤務する警察官だ。
普段はヒマな彼らだが事件が起これば現場へと急行する。コンビニ立てこもり事件に青酸カリ事件、そしてカラスがルビーを盗む事件まで!! 巡査部長の黒川は、強烈な個性を持つ奥さんや趣味のゲームに助けられながら事件を解決していく。
個性的なキャラクターたちに肩の力が抜けてしまいそうな痛快ミステリ。
凸凹デイズ
山本幸久/著 文藝春秋 F/ヤ118/5
広告デザイン事務所・凹組は社員3名の小さな会社だ。そこに勤める新人の凪海(なみ)は、スーパーのチラシを作ったりラーメン屋の看板をデザインしたりしている。ある日、彼女がデザインしたキャラクターが埼玉の遊園地・慈極園のリニューアルプランのコンペで採用された。キャラクターは凹組が、ロゴはライバル会社のQQQが採用という変則的なコンペの結果から、凪海はQQQへ出向する事になった。デカい仕事をすることにこだわりを見せるQQQの社長は、小さな会社を辞めてQQQに来るように凪海を説得するのだが…。
メルカトル
長野まゆみ/著 大和書房 F/ナ96/19
地図収集館で働く新米職員のリュスは、地図研究を趣味とし毎朝開館と同時に手間のかかる依頼をする老紳士や、宿題のために訪れていたずらをしていく生徒たちを相手にする日々を送っていた。
そんなある日、いたずら少年に渡された不思議な手紙。そして彼の部屋には、謎の人物たちが次々と訪問してくる。そして起こる不可思議な出来事・・・。
地図をめぐってのファンタスティックでロマンチックなストーリー。
蜜蜂の家
加藤幸子/著 理論社 F/カ52/12
ミツバチを飼ってハチミツを売る仕事、養蜂。彼氏との別れをきっかけに東京の会社を辞めた理恵が、半ばイキアタリバッタリで次に選んだ仕事が、この養蜂だった。集団で活動する蜜蜂の生態は、強く団結しているかと思えばときに残酷にもなる。蜜蜂の社会が、それぞれの現実を背負った理恵や経営者、社員たちの人生と交錯する−。いちごにさくらんぼ、りんご、ラベンダーなど、甘い香りあふれる花畑を舞台とした、ハチと人の物語。
電車屋赤城
山田深夜/著 角川書店 F/ヤ142/1
時代の変化。神奈川電鉄において、武骨な旧型車両「1000型」は、スマートで整備も楽な「3000型」に取って代わられてゆく。だが、それでも変わらず受け継がれゆくものはあるのだ。
点検整備の達人・赤城を中心に、元・引きこもりの純一、下請けの社長・三郎ら、電車を愛する人々の苦闘の日々を綴る。時の流れが巻き起こす理不尽の波。その向こうに鈍く、だが確かに輝くものとは?
この他にも青少年コーナー展示スペースに多数用意し
てあります。
君たちに明日はない
垣根涼介/著 新潮社 F/カ159/7
三ヶ月に一度くらい、事務所のドアに「死ね!」と落書きされる、「日本ヒューマンリアクト梶v。それが村上真介の所属する会社だ。仕事内容は「リストラ」。様々な会社から依頼を受け、その会社に不要と判断された社員を面接し、退職に追い込む。反論、恫喝、泣き落とし…。あらゆるやり方で抵抗する社員たちを、どう納得させるのか。その中で真介が感じる仕事の価値とは。見た目は軽いが意外と真面目な真介の、恋の行方も気になる連作短編集。
金髪トサカ頭の不良少年竜二は、元担任に連れられて、無理やり落語家に弟子入りさせられた。封建的な芸人社会に入った彼を待っていたのは、師匠にどつかれ、けなされる毎日。逃げる機会をうかがっていた竜二だったが、落語に関係のある事件を解決していくうちに、少しずつ古典落語の面白さにひかれていく。
各話のはじめには解説が付いていて、落語の世界が見えてくる連作短編ミステリ。