おれたちのドリーム・ファクトリィ

八束澄子
/作 長谷川集平/絵  国土社  913/ヤツカ/S

 機械いじりが大好きな弥一は、テレビでホバークラフトを見て以来、「絶対こいつを作っちゃる」と決心し、晴れて天領工業高校機械工作部への入部を果たす。ホバークラフトとは、水上と陸上の両方を走行できる乗り物で、工業高校レベルの技術で製作するのはとても難しい。やがて新入部員は次々とやめていき、やる気のなさそうな町田と2人きりになってしまう。一方、一緒に入学した幼なじみのふるは、帰宅部へ。ふるは喫茶店に勤める女性に恋をし、弥一の家にも顔を出さなくなってしまった。そんなふるに嫉妬やさみしさを感じながらも、町田と顧問の森田先生と3人で部活に没頭する弥一。
 一見ワル風な町田の過去を知り、ふるの恋の行く末を見守り、弥一の「青春のゆううつ」はホバークラフトの製作と同じように進展していくのだった。

図書館の神様

瀬尾まいこ/著  マガジンハウス  F/セ25/1

 清は小・中・高校とバレーボール一筋で、誰もが認めるスポーツ少女だったが、高校3年生の夏、同じバレーボール部の部員が自殺してからは、バレーボールとはきっぱりと縁を切っていた。それから4年後、清は再びコーチとしてコートに立ちたいと中学校の国語の講師になるが、思惑ははずれ文芸部の顧問になってしまった。国語講師なのにもかかわらず、それまで文学とは無縁だった清だったが、たったひとりの男子部員にすすめられ、文学の世界に足を踏み入れるのだが・・・。

部活動の本

ビッグTと呼んでくれ

K.L.ゴーイング
/作  徳間書店  930/コイン/

 「ぼくは汗っかきのデブだ。」身長185センチ、体重135キロ。友達なんていない。何をやってもみんなに笑われる。ニューヨークの高校生、トロイは地下鉄のホームで自殺を考えていた。
 そんなトロイに声をかけたのは、天才ギター少年、カートだった。家出してガリガリにやせこけた彼は、命を救ってやったと豪語してトロイに食事をおごらせた上、一緒にパンクバンドをやろうと言い出す。
 「おまえ、すげえドラマーになれるぜ、ビッグT!」カートに嫌われたくない一心で、彼に調子を合わせるトロイだったが・・・。

フュージョン

濱野京子
/著  講談社  F/179/1

 家を飛び出し、行くあてもなく自転車をこぎ続ける朋花は、公園で意外な人物たちと出会う。学年一の優等生美咲と一緒にいたのは、ヤンキーの玲奈と玲奈の友だちの玖美だった。その組み合わせに驚く朋花だが、更に彼女たちのやっていた“ダブルダッチ”という本の縄を飛ぶスポーツに目を奪われる。
 なんとなく練習に参加するようになった朋花だったが、いつしかダブルダッチに夢中になっていく。そして、コンテストに出場できなくなってしまった
人は、文化祭ジャックを決意する!!

ハチミツドロップス

草野たき
/著  講談社  913/クサノ/

 中学3年生のカズが所属するソフトボール部、通称ハチミツドロップスは部員数5名。グラウンドでボールやバットを握る代わりに、いつも更衣室でおしゃべりに興じ、気楽な部活生活を送っていた。しかし、やる気満々の新入生が9人も入部して、ソフトボール部は運動部らしく生まれ変わってしまった。カズを含む4人は幽霊部員となり、更衣室に集まることもなくなってしまう。そんな4人の生活の歯車が少しずつ狂いだし・・・。部活に友情、恋愛、受験、悩めるカズの中学生活を描いた作品。

この他にも青少年コーナー展示スペースに多数用意してあります。

「アート少女」(『Fragile―こわれもの』収録)
花形みつる/著  ポプラ社  913/68/288

『アート少女 根岸節子とゆかいな仲間たち』
花形みつる/著  ポプラ社  F/131/2

 才能・業績共に抜群の先輩たちが卒業した後、美術部の危機が始まった。新部長の根岸節子のやる気は空回り、部員たちは次々とやめていく。広い部室に残されたのは、個性的だけど冴えない4人。そこへトドメとばかりに、校長の声が。
「補習教室を作るから、美術部室を明け渡せ」
 冗談じゃない。アート系少女だって、やるときはやるんだ。「根岸節子とゆかいな仲間たち」は必死の抵抗を試みるが・・・。(『Fragile―こわれもの』収録分)
 校長とのさらなる闘い(?)を描く続編は単行本になっています。

セコンドアウト

須藤靖貴
/著  小学館  F/63/2

 早生龍平は、せり出た腹が気になる高校生。彼は従兄にすすめられてボクシングをはじめることにした。身長170センチ、体重120キロの体形はヘビー級だが、同階級の選手は県内にはいないらしい。つまり、部活を作って部員になった瞬間、県の認定チャンピオンになるのだ。しかし、試合会場に行ってみるとヘビー級の選手が彼を待ち受けていた。ライバルは本格的なボクシング選手のようだが・・・。
 厳しいトレーニングのおかげで体重が落ち始めた龍平は、太っている自分と向き合えるようになって
いくのだった。

ぎぶそん

伊藤たかみ
/著  ポプラ社  913//S

 中学2年のガクは、同じ学年のマロとリリイとバンドを組んでいる。マロの兄から同じクラスのかけるがギターの名人であると聞いたガクは、かけるをバンドへと誘う。しかし、ちょっと変わっていると評判のかけるの存在は、メンバーたちに様々な波紋を広げる。それでもなんとか練習を重ね、文化祭への準備をするメンバーたちだったが、腕は上達しても音は更にバラバラになってしまう。リーダーとしての自信をなくすガクだったが、リリイへの恋心はそれとは別で・・・。そしてリリイもまた、ガクへの気持ちにとまどいながら練習に励んでいた。

サンネンイチゴ

笹生陽子
/著  理論社  913/サソウ/

 森下ナオミは文芸部所属の中学2年生。人に話しかけるのが苦手で、休み時間にはいつも本を読んで過ごしている。
 ある日、ナオミは古本屋の駐輪場でカバンを盗まれたのだが、その中には文芸部の冊子で発表するはずの詩の原稿が入っていた。偶然通りがかったクラスメイトの手塚とクラスのトラブルメーカーのアサミが一緒に捜索してくれ、数日後、カバンは無事に見付かるのだが、ナオミは別の事件に巻き込まれていくのだった・・・。