藍色夏恋
イー・ツーイェン、ヤン・ヤーチョー/著 角川書店 923/7/41
台湾の女子高生モンはいつも親友のユエチェンと一緒だ。2人のお気に入りの話題は日本のアイドルや将来の夢のこと。そんなある日、ユエチェンが水泳部のチャン・シーハオに恋をしたことから2人の関係は変わり始める。モンはユエチェンに頼まれてシーハオにラブレターを届けるのだが、シーハオはモンからのラブレターだと勘違いし、逆にモンの事を好きになってしまう。誰にも相談できない悩みを抱えているモンは、ユエチェンともシーハオとも距離をとりはじめるのだが・・・。同名映画のノベライズ。
天国の本屋
松久淳・田中渉/著 かまくら春秋社 F/マ122/1
就職活動がうまくいかずコンビニでため息をついていたさとしは、突然、派手なアロハシャツを着た初老の男に声をかけられる。つかまれた腕をふりほどこうとするさとしだったが、力が抜け、気を失ってしまう。
目を覚ましたとき、そこは天国にある本屋の倉庫だった。まったく信じられないような説明を受けたさとしだったが、とにかくその本屋で店長代理として働くことに。しかし、意外にも本屋の仕事はさとしに馴染み、嫌々はじめた朗読にもいろいろな人が来るようになる。
そんな中、さとしはアルバイトの店員で緑色の目をしたユイのことが気になるようになる。初めは恋心を抱くさとしだったが、彼女の秘密を知り、ある決心をする。
小説 砂時計
芦原妃名子/原作 橋口いくよ/著 小学館 F/ハ180/1
両親の離婚で母親の実家で暮らすことになった杏。母親を自殺で失った杏を支えてくれたのは大吾だった。
「大吾と、ずっとずっと、一緒にいれますように」杏のたったひとつの願い。
しかし、15歳の秋、杏は再会した父親と東京で暮らすことを決め、大吾との遠距離恋愛が始まる。島根と東京の距離は、2人に誤解やすれ違いをおこし、ついに2人は別れることを決心する。
そして14年後、疲れ果てた杏はたどりついた思い出の地で自殺を図る。
杏の願いは、大吾が絶対絶対幸せでありますように。杏の想いの行方は・・・。
テラビシアにかける橋
キャサリン・パターソン/著 偕成社 930/ハ/S
絵を描くことが好きな貧しい少年・ジェシーの家の近所に、風変わりな女の子・レスリーの一家が引っ越してきた。最初はなかなか打ち解けられなかったジェシーだが、2人は次第に仲良くなっていく。あるときジェシーとレスリーは、小川の向こうに広がる森に、2人だけの空想の王国「テラビシア」を創造する。豊かな想像力を駆使し、テラビシアでの冒険に夢中になるジェシーとレスリー。レスリーと出会ったことにより、つまらなかったジェシーの日常は大きく変化していく。しかし、そんなある日、ジェシーに衝撃の知らせが告げられる・・・。
博士の愛した数式
小川洋子/著 新潮社 F/オ97/8B
家政婦をしながら10歳の息子を育てている主人公は、ある日博士の家に派遣されることになる。博士は交通事故により、記憶が80分しか持たない。毎日家政婦として家を訪ねても、博士にとってはいつも新しい家政婦である。やがて主人公の息子も博士の家に遊びに来るようになり、博士から「ルート」と名付けられる。記憶が80分しか持たない博士との数学を通しての言葉のやり取り、暖かい関係を描いた物語。
しゃべれどもしゃべれども
佐藤多佳子 新潮社 F/サ111/1
主人公、今昔亭三つ葉は何より落語が好きで、真打を目指す二ツ目の噺家。落語の腕も中途半端だが、恋の方も中途半端、気が短いせいでちょくちょく周りとぶつかっている。恋にも仕事にも迷いがある三つ葉だが、ひょんなことで、あがり症の従兄弟や口下手な美女に話し方教室を開くよう頼まれる。やがて、苛めにあっている小学生や、テレビでは急に無口になる野球解説者まで集まってきて・・・。
日の名残り
カズオ・イシグロ/著 早川書房 F/I14/6
執事のスティーヴンスは旅に出た。イギリスの美しい田園風景の中、ゆっくりと自動車を走らせる・・・。
真の紳士であった、かつての主人ダーリントン卿。2つの世界大戦の狭間で、理想を追い求める卿に仕えた、誇り高き日々・・・。アメリカ人富豪の下で働く、今の暮らしの中での葛藤。去来する様々な思いと共に、スティーヴンスは行く。かつての部下、最も信頼する女中頭だった、ミス・ケントンに会うために。
この他にも青少年コーナー展示スペースに多数用意してあります。
死神の精度
伊坂幸太郎/著 文藝春秋 F/イ237/5
ミュージックをこよなく愛する死神は、1週間対象者の調査をした後、対象者の死に対して「可」か「見送り」の判定をし、8日目に死が実行されるのを見届けて仕事が完了となる。クールでありながら、どこかおかしい主人公の死神、「千葉」と出会い、死に直面した6人の人間模様が描かれた短編集。
『GOTH 夜の章』『GOTH 僕の章』
乙一/著 角川書店 F/オ215/11
「僕たちの感覚は、ずれている。」
一見クラスにとけ込んでいる「僕」、自ら望んで孤立を保つ少女、森野夜。だが2人には共通項があった。殺人、死体、猟奇犯罪。これらの通常の人間なら目を背けたくなる事柄に、この上なく興味を抱くのだ。
夏休み。森野夜は1冊の手帳を拾う。世上を騒がす連続殺人犯のものと思しきこの手帳には、未だ知られぬ死体の在り処が書かれていた。「僕」と森野はそこへ行くことにした。死体を見つけ、殺人者の心に想いを馳せるために。