ワンダー・ドッグ
竹内真/著 新潮社 F/タ262/3
入学式に遅刻して現れた甲町源太郎。新入生の彼の制服は砂まみれのうえ、あちこちが破れひどい格好だった。更にみんなを驚かせたのは、彼が胸元に入れている子犬の姿だった。入学早々注目を集めた彼は、子犬ワンダーを学校で飼うためにワンダーフォーゲル部、略してワンゲル部に入部する。そして様々な問題に直面しながらもワンダーは、彼やワンゲル部のおかげで学校の犬として認められるようになる。
3年後、ワンゲル部に初の女子部員が誕生する。ワンダーの世話をしたいがために入部した千草由貴は、ワンダーの自由のためクライミングに挑戦する。
猫泥棒と木曜日のキッチン
橋本紡/著 メディアワークス F/ハ165/4
母親が家出してしまったため、5歳の弟とたった2人で暮らすことになったみずき。まだ高校生の彼女だが、特に悲しみもなく淡々といままでと変わりない生活を送る。変わったことといえば、道路でみつけた猫の死体を持ち帰り、家の庭に墓を作ってやることだ。小さな庭には猫の墓が増え続けていくが、それを注意するであろう親は帰ってこない。
そんなある日、みずきはダンボールの中に大量の猫の死体を発見する。そしてその下からは、かすかに猫の鳴き声が聞こえていた。
みずきと彼女の行動に付き合う健一は、捨て猫たちのためにある行動を起こす。
ウサギが丘のきびしい冬
ロバート・ローソン/著 あすなろ書房 F/L187/1
コネティカット州のウサギが丘では動物の仲間たちが元気に暮らしていました。ところが、かつてない厳しい冬が丘をおそいます。深い雪に閉じ込められ、食べ物はつき、怖い人間や番犬におどかされ、動物はどんどん丘から逃げ出します。そんな中、丘に残ることを決めたうさぎのジョージーたちは、様々な知恵を絞って冬にいどんでゆくのですが・・・。絵本「はなのすきなうし」の作者、ロバート・ローソンが、動物たちの目線で描いた一冊。本の中に散りばめられた作者の挿絵も必見です。
ケルトの白馬
ローズマリー・サトクリフ/著 ほるぷ出版 F/S313/3
イギリスの丘陵地帯に、古代ケルト人が描いた巨大な「白馬」。緑の丘に今も鮮やかに残る「白馬」の誕生の物語。ケルトの一部族、イケニ族の少年ルブリン。族長の息子として生まれた彼には、自然の美に対する鋭い感覚が備わっていた。だが平穏な日々は過ぎ去り、部族同士の生き残りを賭けた凄惨な戦いの中、少年は成長する。そして、「族長の子」にして「芸術家」である彼の本質を理解する者と出会い・・・。
ビースト
アリー・ケネン/著 早川書房 F/K180/1
「凍ったブタ肉、丸ごと1頭分。こんなものまで、あいつのエサとして運ぶはめになるなんて」
ぼくはスティーヴン、17歳。理由あって、両親と離れて里親のレナルズ家で暮らしている。ここの家族ときたら、善人面したろくでもない連中ばかりだ。特に15歳のキャロルの悪賢さときたら手に負えない。
でも、ぼくはもっと手に負えない秘密を抱えている。ぼくが貯水池に連れて行った、あいつ。だんだん巨大になる。いつだって飢えている。
この他にも青少年室展示スペースに多数用意してあります。
マーブル騒動記
井上剛/著 徳間書店 F/イ214/1
中央テレビのサブプロデューサー御手洗嗣人が家に帰ると、ガレージには巨大な黒い牛がいた。その牛は、ある日知能が発生し、念波を使って喋れるようになったこと、そして、知能を獲得した牛は他にも増えてきていることを嗣人に説明した。また、嗣人たちの担当するTV番組に出演し、自分たちを殺してその肉を食べるのはやめるように訴えさせてほしいという。
大きなスクープを探していた嗣人は、この牛を利用してテレビ局内での成功を掴もうと動き始めるのだが・・・。
夏の魔法
本岡類/著 新潮社 F/モ40/5
会社を辞めて酪農家になっていた高峰のところに、離婚後15年間あっていなかった息子の悠平がやってきた。別れた父親が那須で酪農を行っていることを知り、悠平が自分から行きたいと言ったらしい。しかし、長い間昼夜逆転のひきこもりで無気力な生活をしていた悠平は働く意欲を見せずに高峰を苛立たせていた。
ある日、牛の出産に立会い、自分が名付けた子牛との出会いで悠平は少しずつ牧場での生活に慣れていく。この子牛のために、悠平はある大胆な行動をとるのだが・・・。
白狐魔記 源平の風
斉藤洋/著 偕成社 913/サ
人間の里の近くに、親から独り立ちしたばかりのきつねが住んでいた。きつねは、人間を観察するうちに、人間の言葉を覚えていった。ある日、僧侶が子どもたちに話をしているのを聞く。それは、きつねが白駒山の仙人のもとで修行をすると、人間に化けることができるようになるということだった。それを知ったきつねは、白駒山へと向かった。そして、修行ののち人間に化けることが出来たきつねは、白狐魔丸と名乗り人間と関わりを持っていく・・・。