九月の恋と出会うまで
松尾由美/作 新潮社 F/マ141/1
写真が趣味の北村志織は、一風変わったマンション、「アビタシオン・ゴドー」に引っ越した。2階建、4部屋のこのマンション、大家の意向で一応「芸術系」の人ばかりが住んでいるはずなのだが、隣室の若い男、平野だけはどうもそんな気配がない。
そんなある日、志織の部屋ではぬいぐるみがしゃべりだし、さらにエアコンの穴から「未来の平野」を名乗る男の声が・・・。
「小梅が通る」(『百瀬、こっちを向いて。』収録)
中田永一/著 祥伝社 F/ナ197/1
柚木は過去の辛い記憶が原因で、学校では地味で目立たないようにしている。そんな彼女が存在感を消すために行っているのがブスメイクだ。母親譲りの顔立ちを隠すために、ホクロを描き、分厚いメガネを描け、脱脂綿を頬に含んで顔を変えて登校している。
ある日、メイクをせずに家族と出かけたお店で、アルバイトをしているクラスメイトの男の子と出会ってしまう。メイクをしていなかったことで柚木だとは気が付かれなかったが、使った割引券で柚木の家族だと思われてしまう。とっさに妹の小梅だと自己紹介したのだが、翌日その男の子から、小梅ちゃんにあわせてくれ、と頼まれるようになって・・・。
狐になった奥様
ガーネット/著 岩波文庫 F/G193/1
1880年、イギリスはオックスフォードシャーの村。テブリック氏は、愛する妻のシルヴィアといつものように散歩に出かけた。結婚して1年目、まだ恋人同士のような二人・・・。だが、突然、一瞬にしてシルヴィアは狐に変身してしまう。
彼らは不幸を嘆きつつも、新たな生活を始めるのだが、シルヴィアは日に日に心までも狐となってゆく。テブリック氏は変わらぬ愛を貫こうとするのだったが・・・。
この他にも青少年室展示スペースに多数用意してあります。
本屋での最後のアルバイトの日、花音は運命の人と出会う。しかし、出会った2日後、彼はアメリカへと行ってしまう。メールでのやりとりがほとんどの遠距離恋愛に一喜一憂する花音。
そんなある日、突然彼からのメールが途絶えてしまう。気持ちをおさえられなくなった花音は、仕事を辞め彼のいるアメリカへと旅立つが、そこで衝撃の話を聞かされる。
吉野北高校図書委員会
山本渚/著 メディアファクトリー F/ヤ155/1
一年生のころから、気が合う仲間として図書委員をやってきた大地とかずら。ある日、卒業したら離れ離れになるから彼女は作らないと言っていた大地が後輩のあゆみと付き合いだした。大地を恋愛対象としてみていなかったかずらだが、二人と接するうちに大地に対してあいまいな気持ちを抱いていることに気が付く。
一方、あゆみは自分よりも大地の考えることが分かっているかずらを見ていて、自身をなくしていくのだが・・・。
高校に入学して初めての自己紹介で、好きなものを聞かれた優子は、とっさに「パンです」とツッコミにくいコメントをしてしまう。
しかし、そのコメントにのってきた一人の男子がいた・・・。「僕もパンが好き」、そう宣言した富田くんとパン屋めぐりやパン談義を通して少しずつ距離を縮めていく。時にはケンカもするが、年上の友人美和ちゃん、亡くなった母親(の幽霊)の助言を受けて、少しずつ世界を広げ自分なりに解決していく。
初々しい優子の恋と、彼女をとりまく人々との日常を描いたほのぼのかわいい物語。