あおい目のこねこ エゴン・マチーセン 作・絵 瀬田貞二 訳 福音館書店 1965年 |
元気のいいあおい目のこねこは、ねずみの国を探しに行く途中きいろい目のねこたちに会い一緒に暮らすことにしました。ところが、そのねこたちはあおい目のこねこのことを〈へんなねこ〉といい仲間に入れてくれません。 ある日、あおい目のこねこは、大きな犬にほえられて、おびえきったねこたちのために、犬を追い払おうとします。ところが逆に犬にほえられ、驚いて飛び上がった拍子に犬の背中に乗ってしまい、いくつもの山を越えずっと遠くまで行き、とうとうねずみの国をみつけました。 そこで、あおい目のこねこは、きいろい目のねこもねずみの国へ連れていきました。 |
あたまをつかった ちいさなおばあさん ホープ・ニューウェル 作 松岡享子 訳 山脇百合子 画 福音館書店 1970年 |
ひとりのおばあさんが小さい黄色い家に住んでいました。おばあさんはとても貧乏でしたが、頭をとてもじょうずに使って万事うまくやっていました。 おばあさんがはねぶとんを手に入れた時もそうでした。おばあさんは、穴だらけの毛布しか持っていませんでしたが、お金がないので新しいものが買えません。そこで、家で飼っているがちょうの羽根ではねぶとんを作ることにしたのです。でも、それではがちょうたちが寒くなってかわいそうです。そこで、おばあさんは頭を使って考え、穴だらけの毛布でがちょうたちにチョッキを作ってあげる事を思いついたのです。 ほかに、小さいお家をどうやってネズミたちからまもったかなどの8話のお話があります。 |
いやいやえん 中川李枝子 作 大村百合子 絵 福音館書店 1962年 |
ちゅーりっぷ保育園に通うしげるは4才の男の子です。いつもわがままを言って、お母さんを困らせてばかりいます。何でもいやいやというしげるをお母さんは、「いやいやえん」という保育園に連れていきます。そこの保育園では、嫌なことはしなくて良く、好きなことだけをすれば良いのです。 でも、しげるは「いやいやえん」がだんだん楽しくなくなり、ちゅーりっぷ保育園が恋しくなります。 このほかに、しげるが山で鬼にあった話など5つのお話があります。 |
エミットとかあさんの歌 ラッセル・ホーバン 作 リリアン・ホーバン絵 谷口由美子 訳 文研出版 1977年 |
カワウソのエミットとかあさんは、川っぷちに住んでいます。かあさんはとても働きもので、洗濯屋をしていましたが、暮らしていくのがやっとでした。特にその年は暮らしが苦しく、クリスマスのプレゼントを用意することができません。 ある時二人は、賞金付きのタレントショーの話を聞き、おたがいに内緒でそのショーに出場することにします。賞金でプレゼントを買おうと思ったのです。エミットは、仲間とのバンド演奏で出場し、お母さんは歌で出場しました。でも二人は落選してしまいます。 みんながっかりして家路につきます。その途中、かあさんとエミットたちは、川辺で、思いっきり歌と演奏をしました。 それを聞いたレストランの主人は、毎晩演奏してほしいと頼みます。それからは、エミットと母さんは、毎日の暮らしを心配しなくてもよくなりました。 |
エルマーのぼうけん ルース・スタイルス・ガネット 作 ルース・クリマン・ガネット 絵 わたなべしげお 訳 子どもの本研究会 編 福音館書店 1963年 |
9才の男の子エルマー・エレベーターは、ある時、雨に濡れていた野良ネコに声をかけ、家に連れてきます。エルマーはそのネコから、「どうぶつ島」の動物たちに囚われている竜の話を聞き、竜を救い出そうとリュックに棒付きキャンデー、輪ゴム、リボンなどを入れて出かけます。エルマーは、リュックの中身を使って、島の動物たちに捕まらないようにしながら、竜のいる川のそばまでやってきます。すると、島中の動物が、一斉にエルマーにおそいかかってきました。けれども、エルマーはなんとか竜を助け出し、島から逃げ出しました。 続編に「エルマーとりゅう」「エルマーと99ひきのりゅう」があります。 |
からすのカーさんへびたいじ オ−ルダス・ハクスリー 文 バーバラ・クーニー 画 じんぐうてるお 訳 冨山房 1988年 |
はこやなぎの木の上に、からすのカーさん夫婦が住んでいました。その木の根もとにはがらがらへびのガラガラどんが住んでいました。カーおくさんは、毎日たまごを1つ産みましたが、不思議なことにそのたまごがなくなるのです。 ある日、カーおくさんは自分の産んだたまごをガラガラどんが飲み込んでいるのを見つけます。そんなヘビのガラガラどんを退治してほしいと頼まれたカーさんは、物知りのふくろうに相談し、本物そっくりの泥のたまごを巣においておくことにしました。ガラガラどんが、そのたまごを本物だと思って飲みこむとお腹がものすごく痛み、暴れまわりはじめます。そして、体が木にまき付き、きつく結ばれてしまいました。 それからは、カーおくさんは安心してたまごを産むことができ、今ではガラガラどんは子がらすのおしめを干す洗濯ひもになっています。 |
きいろいばけつ もりやまみやこ 作 つちだよしはる 絵 あかね書房 1985年 |
月曜日、きつねの子は丸木橋で、「きいろいばけつ」を見つけました。うさぎやくまに聞きますが、持ち主はわかりません。きつねの子は、一週間待って落とし主が現れなければ、自分のものにしようと決め、火曜日から毎日、ばけつを見に行きました。日曜日もばけつは元のところにありました。 その夜、きつねの子はばけつが空に飛んでいってしまう夢を見ます。次の日、行ってみると、ばけつはもうありませんでした。 でも、きつねの子には、この一週間は、ばけつが確かに自分のものだったと思えるのでした。 |
くまの子ウーフ 神沢利子 作 井上洋介 絵 ポプラ社 1969年 |
遊ぶこと、食べること、考えることが大好きなウーフという名前のくまの子がいました。 ある時、ウーフは木になりたいと思いました。でも木は、はちみつをなめません。そこでみつばちになりたいと思いました。どうしたらなれるか聞こうとみつばちを追いかけるうちに川まできました。ウーフは魚を見ると今度は魚になりたいと思いました。でも、ふなに、魚になるのはつらい修行がいるとさんざんおどかされ、最後に、舌のない口を見せられ、びっくりして逃げ帰ります。 他に「ウーフはおしっこでできているか」「いざというとききってどんなとき」など全部で9つのお話があります。 |
ジェインのもうふ アーサー・ミラー 作 アル・パーカー 絵 厨川圭子 訳 偕成社 1971年 |
ジェインは赤ちゃんの時ピンクのもうふが大好きでした。ミルクを飲むときも昼寝のときも、どんなに泣いていてもピンクのもうふを渡されるとピタッと泣きやむくらい大好きでした。 小学校に上がったジェインは、ピンクのもうふをずーっと使っていないことにふと気がつき、もうふがほしいとだだをこねます。おかあさんが出してくれたもうふは、古くて小さくて、ぼろぼろでした。 次の日、窓際に置いていたもうふの糸を鳥が持ち去ろうとするのに気づいたジェインは、もうふを鳥の赤ちゃんにゆずることにしました。 |
じゃんけんねこ 佐藤さとる 作 岩村和朗 絵 あかね書房 1977年 |
たっちゃんは友だちの家から帰るとき、原っぱを横切って近道をしました。すると、どこからか、「じゃんけんぽん」と声がしました。そこで、たっちゃんの声がするほうにいってみると、一匹のねこが通せんぼをしていました。「おれに負けたら、さっさとここから出て行ってもらう。」とそのねこはいいました。たっちゃんとねこがじゃんけんをすると、たっちゃんが勝ちました。そのとたん、たっちゃんは目が回り、おもわず、地面にひざまづいてしまいました。からだが急に緩んで、かわいい黒ねこに変わったたっちゃんは、ねこの世界を体験しました。 でも、人間に戻ったたっちゃんが2〜3日たってまたそこへ行くとすすきは刈り取られ、ねこもいませんでした。 |
ターちゃんとルルちゃんのはなし たかどのほうこ 作・絵 アリス館 1996年 |
ターちゃんは、なわとびを買ってもらい、なわとびの木のにぎりに、女の子の絵を描いてなわとびを始めました。最初はうまく飛べなかったターちゃんですが、だんだん上手になってきたので、外に出ていきました。そこで、道に迷っているルルちゃんと出会い道案内してあげます。ルルちゃんになわとびが上手だとほめられ、ターちゃんは、嬉しくなります。不思議なことに、木のにぎりに描いた女の子の絵も嬉しそうなにっこり顔になっていました。 もう一つのお話は、ルルちゃんがおばあちゃんのうちに行く途中で、道に迷い、なわとびの練習をしているターちゃんに道案内をしてもらうというおはなしです。 |
チムとゆうかんなせんちょうさん エドワード・アーディゾーニ 作 せた ていじ 訳 福音館書店 1963年 |
少年チムは、両親と海岸の家に住んでいます。毎日海を見ているチムは、船乗りになりたくてたまりません。チムは内緒で船に乗り込むことに成功しますが、船長に見つかってしまいます。チムはその罰として海の男たちに交じって仕事を手伝うことになります。そして、その仕事振りに、船員たちもチムのことを認めるようになりました。 ところが、ある夜、嵐になり船は船長とチムを乗せたまま沈みそうになりますが、間一髪で二人は助けられます。船長は、チムの勇ましさが気に入り、今度の航海にはぜひチムを連れて行きたいと、チムの両親に頼みました。 |
チム・ラビットのぼうけん アリソン・アトリー 作 中川宗弥 画 石井桃子 訳 童心社 1967年 |
子うさぎのチム・ラビットは森に両親と一緒に住んでいます。ある日、チムは草刈り場でハサミを見つけました。父さんがハサミは何でも切ることができるものだと教えてくれました。 次の日、留守番をしていたチムはハサミを使ってみたくなり、家中のものを切り始めます。自分の茶色の毛まで切ってしまったチムは風邪をひいてしまいますが、父さんがチムの毛で上着を作ってくれました。 このお話のほかに8話のお話がのっています。 |
とうさんおはなしして アーノルド・ローベル 作 三木卓 訳 文化出版局 1973年 |
ねずみのとうさんが七匹の子ねずみにせがまれ、寝る前に、七つのお話をしてやりました。 最初の話はお金を入れると願いごとをかなえてくれる井戸のお話です。ねずみの女の子は井戸が痛がらないようにまず枕を投げ、その上からお金を投げ入れてたくさんの願い事をかなえてもらいました。 そのほか、ねずみが旅行に出かけ、車・ローラースケート・長靴・運動靴、全部ボロボロにしてしまい、ついには、ケガをしたので新しい足を買ってしまうという話もあります。 七つのお話が終わる頃には、子ねずみたちはぐっすり眠ってしまいます。 |
なぞなぞの好きな女の子 松岡享子 作 大社玲子 絵 学習研究社 1973年 |
なぞなぞが大好きな女の子がいました。毎日、お母さんになぞなぞをしていたので、ある日他の人を探したらと言われ、森へ出かけて行きます。 その森で、ちょうどお昼に食べる子どもを探していたオオカミとばったり会いました。女の子はオオカミからにげ出すために、オオカミになぞなぞを出して、オオカミが一生けんめい考えているすきに、走って家に帰りました。 オオカミはずっと考えていましたが、ウサギに聞き、やっと答えがわかったので、女の子を食べようと、家まで一目散にやってきました。 でも、女の子から次はオオカミがなぞなぞを出す番だといわれ、頭をひねって考えますが、女の子にすぐ答えられてしまい、結局、オオカミは女の子を食べることができませんでした。 |
ぬい針だんなとまち針おくさん 土橋悦子 作 長新太 絵 福音館書店 1999年 |
ある針箱にぬい針とまち針の夫婦が住んでいました。まち針おくさんの自慢は、自分のピンクの真珠の頭と仕事のできるぬい針だんなです。 ところが、ある日、ぬい針だんながうっかり足を滑らせて下に落ちてしまいました。次の日になっても帰ってきません。まち針おくさんをはじめ、仲間たちが心配して針箱の中は大騒ぎになりました。 そこで、まち針おくさんは、ぬい針だんなを探しに出かけました。途中、ネコや掃除機に助けられて、やっと、ぬい針だんなと再会することができました。二人は大変な目に遭いながらも、何とかみんなの待つ針箱へと帰りました。 |
番ねずみのヤカちゃん リチャード・ウィルバー 作 大社 玲子 絵 松岡享子 訳 福音館書店 1992年 |
トドさんの家の壁のすき間に、母さんと四匹の子ねずみが暮らしていました。三匹はおとなしく、静かなのに、四匹目はやかましいのでヤカちゃんと呼ばれていました。 ある日、母さんは四匹に大きくなったのだから自分で暮らしていくように言います。「昼間外へ出ない」、「台所へ入っていってチーズを食べない」、「音を立てない」ということをお母さんは歌を歌って教えました。ヤカちゃんは、約束は守りましたが、声は大きなままだったので、母さんねずみは心配でした。 ところが、このヤカちゃんの声の大きさが役に立って、泥棒を追い出すことができ、ヤカちゃんたちはトド家の番ねずみとして安心して暮らすことができるようになりました。 |
ぺちゃんこスタンレー ジェフ・ブラウン 文 トミー・ウンゲラー 絵 さくまゆみこ 訳 あすなろ書房 1998年 |
ニューヨークのマンションに住む、ラムチョップさんの家族にある朝、大変なことが起こります。弟のアーサーがぺちゃんこになった兄のスタンレーをみつけたのです。病院に行っても原因はわかりません。 仕方なく、スタンレーはぺちゃんこのまま生活します。そして、封筒に入ってカリフォルニアに旅行したり、美術館で額の中に収まって泥棒をつかまえて有名人になったりします。弟のアーサーはスタンレーが羨ましくてたまりません。 でも、有名になったスタンレーは悪口を言われるようになり元の姿に戻りたくなります。スタンレーは、アーサーに協力してもらい元通りになれました。 |
ぼくは王さま 寺村輝夫 作 和田誠 絵 理論社 1961年 |
王さまの一番好きな食べ物は、「あまくってふーんわりした、あったかいたまごやき」です。それを、朝も昼も夜も、いつも食べていました。 王さまに赤ちゃんが生まれた時、国じゅうの人を招いてお祝いをすることになりました。ごちそうは、もちろん「たまごやき」。 でも、国じゅうの人たちにごちそうするには、卵がいくつあっても足りません。そこで、王さまは、ぞうの卵でたまごやきを作るように家来に命じます。家来は卵を手に入れるため、ぞうを探しに出かけます。 散々探した後で、家来は、ぞうは卵を産まないということに気がつきます。家来は、卵の代わりに、子ぞうを連れて帰りました。そして、その子ぞうは王子さまと仲良しになりました。 他に、この王さまの楽しいお話が3話収録されています。 |
ものぐさトミー ペーン・デュボア 文・絵 松岡享子 訳 岩波書店 1977年 |
トミー・ナマケンボは電気じかけの家に住んでいます。入浴、乾燥、歯みがき、着がえ、食事、何もかも機械がしてくれるのです。トミーはじっと立っているだけ。ところがある日、停電で機械が全部止まってしまいました。トミーはあいかわらず、眠り続けています。七日後、ようやく電気が復旧します。でも、風呂の水は冷たいし、さかさまになったまま、足に歯みがき、上下逆に着がえと大変です。食事機からは七日分の食物がいっぺんに出てきて、なんとトミーの足に食事をさせようとします。 めちゃくちゃになったトミーは、心をいれかえようと決心します。 |
ロッタちゃんのおひっこし アストリッド・リンドグレーン 作 イロン・ヴィークランド 絵 山室静 訳 偕成社 1966年 |
ロッタちゃんは5歳の女の子です。ある朝のこと、大事にしていたぬいぐるみのバセムを、お兄ちゃんとお姉ちゃんにたたかれた夢を見たロッタちゃんはご機嫌ななめでした。ママも相手してくれないので、お隣のベルイおばさんの家に家出をします。 おばさんが、物置の2階の部屋に、新しいベッドやテーブル、お人形を用意してくれました。自分の部屋を持ったロッタちゃんは、大喜びです。 けれども、夜になると、ひとりぼっちの寂しさから、泣いてしまいます。そこへパパが迎えにきてくれ、ロッタちゃんは自分の家に帰ります。ママもロッタちゃんを優しく迎えてくれ、ロッタちゃんは安心して眠りにつきました。 |
わたしのおかあさんは 世界一びじん ベッキー・ライアー 作 ルース・ガネット 絵 光吉郁子 訳 大日本図書 1985年 |
6歳の女の子ワーリャは、両親の後について小麦の取り入れを手伝っていました。でも、ワーリャは、最後の取り入れの日に、両親とはぐれてしまいます。おかあさんを探しているところを、近くで作業をしていた村人たちに助けられたワーリャは、村人たちに両親の名前を尋ねられると、「わたしのおかあさんは世界一びじん」と答えます。 すぐに、数人のきれいな女の人が呼び寄せられましたが、その中にはワーリャのお母さんはいませんでした。そこへ、ワーリャのお母さんが駆けつけてきて、無事に出会うことができました。やってきたワーリャのお母さんは特別美人というわけではありませんでした。でも、ワーリャは村人たちに「世界一美人でしょ」と誇らしげに母を自慢するのでした。 |