アカネちゃんのなみだの海 松谷みよ子 著 伊勢英子 絵 講談社 1992年 |
アカネちゃんは、お姉さんのモモちゃんとお母さんと黒猫のプーと暮らしています。 アカネちゃんが5歳になったとき、とてもうれしいことがありました。アカネちゃんが赤ん坊だった頃に、ママが編んでくれた、アカネちゃんの大の仲良しの靴下のタッタちゃんとタアタちゃんが戻ってきたのです。 ほかに、モモちゃんとアカネちゃんが、パパとこの世で一番悲しいお別れをする「モモちゃんのなみだ」など14編があります。 この本は「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズの完結編です。 |
あらしのよるに 木村裕一 作 あべ弘士 絵 講談社 1994年 |
ある嵐の夜、ヤギが真っ暗な小屋の中で嵐が止むのを待っていました。そこへ、足をくじいて杖をついたおおかみが入ってきました。二匹は、お互いを自分の仲間だと思い、いろいろと話をします。 住んでいるところや好きな食べ物の話をして、次第に仲良くなっていき、嵐がおさまる頃には、二匹は親友になっていました。二匹はお互いの顔も知らないままでしたので、「合い言葉」を決め、翌日のお昼に会う約束をして別れました。 「あるはれたひに」などの続編があります。 |
いたずらおばあさん 高楼方子 作 千葉史子 絵 フレーベル館 1995年 |
洋服研究家のエラババ先生に洋裁を習っているヒョコルさんは、招待されエラババ先生の家に出かけました。先生はヒョコルさんに自分が発明した、1枚着ると1歳若くなる服を見せてくれました。エラババ先生が76枚着て、ヒョコルさんが60枚着ると二人とも8才の子どもになりました。 二人は町で高慢なおばさんを豚の銅像にすわらせたり、デパートで学校の先生をへこませたりと、いたずらを楽しみます。 変身していた二人はある日、はらっぱ会館で人形劇を見て、感動しますが、そこが閉館とりこわしになることを知ります。何とか社長の気持ちを変えて取り壊しをやめさせようと二人は力を合わせ、若くなる服を使った作戦を実行します。そして、無事はらっぱ会館を残すことができました。 |
エーミールと探偵たち エーリヒ・ケストナー 作 高橋健二 訳 岩波書店 1962年 |
美容師のお母さんとふたりぐらしの少年エーミールは、おばあさんにお金を届けるため、一人で列車に乗ってベルリンへでかけました。途中の列車の中で眠り込んでしまったエーミールは、山高帽をかぶった紳士に大切なお金をすられてしまいます。 エーミールは、ベルリンで出会った少年たちに協力してもらいながら、泥棒を追跡します。少年たちは役割分担を決め、知恵をしぼり、けんかをしながらも、力を合わせ泥棒を捕まえてエーミールの大切なお金を取り戻します。 |
エーミルと小さなイーダ アストリッド・リンドグレーン 作 ビョーン・ベリィ 絵 さんぺいけいこ 訳 岩波書店 1994年 |
エーミルは元気な男の子。毎日いたずらをしでかしてはおしおきとして作業小屋に閉じこめられています。妹のイーダはそれがうらやましくてたまりません。どうにかして自分もいたずらをしてみたいと思うのですが、何をやってもなかなかいたずらになりません。 ところがある日、イーダは卵が腐っていないか調べる為に、19個もの卵を全部木にぶつけて割ってしまいます。やっと自分にもいたずらができたと喜んだのも束の間、そこへやってきたお父さんはこの有様を見るなりエーミルを作業小屋へ閉じ込めてしまいました。イーダは悲しくなりましたが、その夜、お父さんに本当のことを話します。そして、今度こそ自分が小屋に閉じこめられるようないたずらをしようと思いました。 |
大どろぼう ホッツェンプロッツ オトフリート・プロイスラー 著 中村浩三 訳 偕成社 1966年 |
ある日、カスパールのおばあさんは、大切にしていたコーヒーひきを悪名高い大どろぼうホッツェンプロッツに奪われてしまいます。 コーヒーひきを取り戻そうとしたカスパールとその友達ゼッペルは、逆に捕まってしまいます。お互いの帽子を取り替えて変装していた2人は、入れ替わったままホッツェンプロッツと大魔法使いツワッケルマンにそれぞれ引き取られ、朝から晩まで働かされることになりました。しかし、2人の機転とカスパールが救った妖精のおかげで、ホッツェンプロッツはウソ鳥になって警察へ、ツワッケルマンはスズガエルの池に落ちて死んでしまいました。そして、2人は無事コーヒーひきを取り戻しておばあさんの家に帰りました。 この本には続編「大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる」「大どろぼうホッツェンプロッツみたびあらわる」があります。 |
かおるのひみつ 征矢 清 作 石松知磨子 絵 あかね書房 1973年 |
かおるのクラスの黒崎さんが校内作文コンクールで一等賞に選ばれました。ところが、その作文が盗作だといううわさが流れます。そして、ふとした事から真相を知ることになったかおるは、クラスのみんなに対して秘密を持つことになってしまいます。お父さんもお母さんも、かおるに、先生に本当のことを話すようにすすめます。でも、かおるにはそんなことは出来ません。友だちの西村さんと相談し、二人は黒崎さんに本当の事を話すよう説得します。黒崎さんはおもいきって先生とみんなに本当のことを告白しました。 |
かしこいポリーと まぬけなおおかみ キャサリン・ストー 作 若葉珪 絵 佐藤凉子 訳 金の星社 1979年 |
ポリーは料理の好きなとても賢い女の子です。ある日ひとりで留守番をしていると大きくて真っ黒なおおかみが、ポリーを食べようとやってきました。食い意地のはったおおかみはポリーのさそいにのせられて、一度目はおいしいパイを、二度目はチョコレートケーキをおなかいっぱい食べて帰っていきました。そして三度目にポリーの家にやってきた時、おおかみは煮え立ったタフィーを口にいれてしまい、やけどをして家から飛び出し、二度とポリーの家にはやってきませんでした。 他におおかみが動物園に入れられて、ポリーが色々な方法で助けようとするお話、おおかみがつかまえたポリーを太らせて食べようとするお話など3編があります。 |
風にのってきた メアリー・ポピンズ P・L・トラヴァース 作 林容吉 訳 岩波書店 1963年 |
桜町通りのバンクス家に、東風に運ばれてきたように、どこからともなくやってきたメアリー・ポピンズ。この家の4人の子どもたちのお世話係となった彼女は、気取り屋でいつも厳しいけれど、それ以上にとても不思議な人でした。 メアリー・ポピンズが来てからというもの、絵の中へ入ることができたり、空中に浮いたまま午後のお茶を飲んだり、閉まっている夜の動物園にいつのまにか入っていたり、子どもたちのまわりで不思議なことが次々に起こります。そしてどこへ行っても、みんながメアリー・ポピンズを歓迎するのです。 しかし、ついにある日西風が吹き、メアリー・ポピンズはその風に乗って、突然去っていきました。 他に「帰ってきたメアリー・ポピンズ」「とびらをあけるメアリー・ポピンズ」「公園のメアリー・ポピンズ」「さくら通りのメアリー・ポピンズ」等があります。 |
学校ねずみのフローラ ディック・キング=スミス 作 フィル・ガーナー 絵 谷口由美子 訳 童話館出版 1996年 |
フローラは学校に住む「学校ねずみ」です。好奇心が強く、教室の授業を壁の穴からこっそりのぞいているうちに、文字を覚え、やがて本も読めるようになります。 ある日、ねずみが学校にいることが人間たちにわかり、毒のえさを学校中に置かれてしまいます。ねずみたちはそれに気づかず、えさと思って食べてしまいますが、フローラはえさ袋の文字が読めたので、毒を食べずにすみました。そして、お父さんとお母さんも危ういところで助けることができました。 その後、フローラの仲間に、ハツカネズミのバックが加わり、数々の危機をみんなで乗り越えます。それから、フローラは、仲間に文字や数字を教えました。 |
火よう日のごちそうは ひきがえる ラッセル・エリクソン 作 ローレンス・D・フィオリ 画 佐藤凉子 訳 評論社 1982年 |
ひきがえるのウォートンとモートンは、仲のよい兄弟です。冬のある日、ウォートンは、モートンが作った砂糖菓子をトゥーリアおばさんに届けに行くことを思いつき、スキーを履いて出かけました。途中シロアシねずみから、たちの悪いみみずくがいるから気をつけるように言われたのですが、みみずくに捕まってしまいます。ウォートンは5日後の火曜日、みみずくの誕生日のごちそうとして食べられることになってしまいます。 火曜日までの短い間一緒に暮らすことになった2匹は、毎晩温かいお茶を飲みながら話をして過ごすうちに、次第に心を通い合わせるようになりました。みみずくの誕生日に逃げ出したウォートンは、キツネにおそわれるみみずくを助けてやり、2人は強い友情で結ばれます。そして、ウォートンは無事おばさんのところへ行くことができました。 |
木の上のひみつ基地 フォーチュン団のなかまたち1 マーガレット・マーヒー 作 ジョン・ファーマン 絵 幾島幸子 訳 岩波書店 1997年 |
10才のピートはお父さんの故郷のニュージーランドへ引っ越してきます。お父さんから、木の上の家や森での隠れんぼ、一族に伝わる歌の数々などフォーチュン家の事は幾度もきかされていましたが、行くのも親戚に会うのも初めてです。 同じ年頃のいとこ達は「フォーチュン団」を結成し、木の上に秘密基地をもっていました。ピートも仲間に入りたいのですが、本物のフォーチュン団になるには、一族の歌を全部知っているだけでなく、木立の中の隣の墓地でたった一人朝まで過ごさなくてはなりませんでした。年上のいとこ達に助けられながら、ピートは怖さをこらえてそれを実行します。そのことで、自分が一族の一員であることを実感したのでした。 この本は全部で4巻あります。 |
きみのとおんなじさ エバ・エリクソン 作・絵 菱木晃 訳 岩崎書店 1989年 |
ストーレは小学生の男の子です。ある日ママが町のバーゲンで、暖かそうな上着を買ってきてくれました。ストーレも気に入って早速学校に着ていったのですが、友達から「女の着る服」だといわれてしまいます。そういわれるとそんな気がしてきて、うちに帰ってママに文句を言ったのですが全然取り合ってくれません。ストーレは、わざと服を汚したり、ボタンを壊したりしてみますが、うまくいきません。 そこで古いジャンパーをこっそり持ち出し、外で着替えて学校に行くことを思いつきますが、そのジャンパーも捨てられてしまいます。そんな時、同じ上着をこっそり着替えている友達を見たストーレは、学校で、これは女の服ではなく、はやりの服だと宣言します。それからは、ほかの子どもたちもみんな、堂々と新しい上着を着ることができるようになったのです。 |
ぐうたら王と ちょこまか王女 ミラ=ローベ 作 菊池貞雄 画 塩谷太郎 訳 学習研究社 1976年(新版あり) |
ある国に食いしん坊でなまけもののグウタラ王とその娘ピンピという活発な王女がいました。グウタラ王はあまりにもぐうたらな生活がたたり、どんな名医にも治せない重い病気になってしまいます。ピンピが病気を治してくれる医者を探していると、森でヒツジ飼いの少年ガウデオと老人に出会います。そして彼らに病気を治す方法を教えてもらいます。それはなんでも自分ですること、歩くこと、走ることなどのあたりまえのことばかりでした。それを聞いたピンピは、ガウデオとともに知恵を働かせて、色々な方法を実行します。おかげで、元気になったグウタラ王は自分のことは自分でするようになり、国民から愛される王様になりました。 新版は、『なまけものの王さまとかしこい王女のお話』として出ています。 |
車の色は空のいろ あまんきみこ 作 北田卓史 絵 ポプラ社 1968年 |
松井五郎さんの空色のぴかぴかのタクシーには、いろんなお客さんが乗ってきます。 春の初め、遠くの空港から帰る途中麦畑の広がる道でパンクした車を修理するのを手伝ってくれた二人の男の子を、お礼にと車に乗せてやった後、次に乗せようとしたお客さんから、金色の毛がシートに散らばっていると言われて、二人がきつねだったことに気がつく「小さなお客さん」が最初のお話です。 その後、松井さんは、山猫医者や熊の紳士など思いがけないお客さんを乗せます。また行き先も、海の中、戦火にあった昔の町などいろいろです。全部でお話が8編あります。 このお話には続編「続車のいろは空のいろ」があります。 |
こちらマガーク探偵団 E・W・ヒルディック 著 山口太一 画 蕗沢忠枝 訳 あかね書房 1977年 |
ジャック・マガークとジョーイ・ロカウェイは空き箱を頭にかぶる奇妙な少年を見かけました。少年はウィリー・サンドフスキーといい、引っ越してきた時にわからなくなった大切なキャッチャーミットを探していると言います。 そこで、3人は探偵団を結成し、それぞれの特技を活かしながらミットの行方を探します。途中で、ワンダ・グリーグという女の子が仲間に加わり、4人は、やっと犯人を捜し当て、ミットを取り戻すことができました。 マガーク探偵団シリーズ全18巻の第1作目です。 |
子どもべやのおばけ カーリー・ゼーフェルト 著 前田浩志 絵 倉澤幹彦・本田雅也 共訳 徳間書店 2000年(旧版あり) |
「見はらし館」とよばれる古い城に引っ越してきた夜、ユッタとイーミとベンノーの三姉弟は、けんかおばけのフローリアンと出会い、友だちになります。 いつも悲しげなフローリアンをのろいから助けて自由にするため、3人は試練を受けることにします。 それは地下室にある真っ黒な「けんかリンゴ」をワルプルギスの夜に取ってきて、一週間でぴかぴかの金のリンゴに磨き上げることです。しかもその間は、絶対にけんかをせずに3人だけの力でやり遂げなければなりません。 互いに衝突し、理解し合いながらも試練を乗り越え、3人はフローリアンを自由にすることができました。 そして3人は、新しく生まれた弟に、フローリアンという名前をつけたのです。 |
こぶたのポインセチア フェリシア・ボンド 作・絵 小杉佐恵子 訳 岩崎書店 1987年 |
こぶたのポインセチアは、たくさんの家族と一緒に、古いすてきな家に住んでいました。 でも、家の中は騒々しく、ポインセチアは、お気に入りの本さえも読めません。家で落ち着けないことがポインセチアには不満でした。 ある日、家族で新しい大きな家をさがすために出かけました。でも、ポインセチアは、こっそり家に残りました。そして、やっとゆっくり本が読めると喜びました。でも、だんだんひとりぼっちが寂しくなってきて、とうとう泣きだしてしまいます。そこへ、みんなが戻ってきて、また家の中がにぎやかで楽しくなりました。やっぱり古い家がいいということになり、その後もポインセチアは、家族と一緒にあの古い家で暮らしています。 |
七人の ゆかいな大どろぼう たかしよいち 作 スズキコージ 絵 理論社 1989年 |
昔一人の若いぼうさまが、仏様に仕える勤めが辛くなり、こっそり寺を飛び出しました。 ある日、殿様の行列を見たぼうさまは殿様のような身分になりたいと思います。 その夜、過ごしたお堂で、ぼうさまはチョンマゲのかつらと殿様がそっくりの衣装の入った箱を見つけます。二つを身につけ、気分良く外へ出ると、侍たちに殿様と勘違いされ、お城へ連れて行かれます。そのまま殿様のふりをして楽しんでいましたが、敵が攻めて来たので、命からがら逃げ出しました。ふと気がつくと元の姿に戻っていました。 坊主が一番いいと思っていると、あの日見かけた殿様が、坊主に化けて歩いていくのが見えました。 この他、6編のお話があります。 |
小さい牛追い マリー・ハムズン 作 中谷千代子 絵 石井桃子 訳 岩波書店 1969年(改版あり) |
ノルウェーの農場に住む四人きょうだいは、両親と一緒に村中の牛とヤギをあずかって、山の牧場で夏を過ごします。上の二人の男の子、10才のオーラと8才のエイナールは、水汲みや薪わり等の家の仕事と牛追いとを一日ずつ交替でやります。オーラとエイナールはいたずらをしながらも、雨の日も風の日も山の奥深く分け入って、牛たちの見張りをし、お母さんのお手伝いもします。山を下りる頃になって、一匹の牛が行方不明になりました。二人は他の牧場をさがしてまわり、野宿をし、ようやく見つけ出します。村へ帰った時、牛の持ち主から、とてもりっぱに世話を焼いてくれたとほめられ、おこづかいをもらいました。 |
小さい魔女 オトフリート=プロイスラー 作 ウィニー・ガイラー 画 大塚勇三 訳 学習研究社 1965年 |
小さい魔女は127歳。魔女の世界ではまだまだひよっこです。 小さい魔女は、大きい魔女だけが参加できるワルプルギスの夜の魔女の踊りにこっそり紛れ込んだのですがすぐに見つかり、来年までによい魔女になることを約束させられます。それからというもの、小さい魔女はよい魔女になるために一生懸命魔法の勉強をし、魔法を使って人々を助けました。 ところが、よい魔女とは魔法で悪いことをする魔女のことだったのです。さんざんしかられ、ワルプルギスの夜のたき火のまきを一人で用意するように言われた小さい魔女は、とてつもない仕返しを思いつき、大きい魔女たちをやっつけました。 |
小さなスプーンおばさん アルフ・プリョイセン 作 ビョールン・ベルイ 画 大塚勇三 訳 学習研究社 1966年 |
田舎でご亭主と静かに暮らしているスプーンおばさんは、普通のおばさんですが、突然ティースプーンくらいに小さくなることがあります。けれども、おばさんは全然あわてません。ネズミに掃除をさせ、ネコに食器を洗わせ、イヌにベッドを片付けさせるという具合に、家のことをてきぱきとやってのけます。 動く人形になってバザーに行ったり、カラスの羽を体に着けてカラスの女王になったり、おにんぎょうになって赤ちゃんの遊び相手になったりと大活躍します。 全部で12編の楽しいお話があります。 続編に「小さなスプーンおばさんのぼうけん」「小さなスプーンおばさんのゆかいな旅」があります。 |
ちびっこカムのぼうけん 神沢利子 作 山田 三郎 絵 理論社 1961年 |
はるか北の果ての国に、カムという少年がいて、母親の病気を治すために「イノチノクサ」を取りに火の山へと旅立ちます。そこにはガムリイという恐ろしい大オニがいたのですが、カムは、動物たちの助けを借りて、そのオニを負かして「イノチノクサ」を手に入れます。その時、行方不明だった父親がガムリイによって白鯨に変えられていることを知り、父親を救うために今度は北の海へ旅に出かけます。カムは父を助け出し、無事に母の元へ帰ることができました。 この作品は、「火のまき」と「北の海のまき」と いう中編2編からなる物語です。 |
ちびドラゴンの イリーナ・コルシュノフ 作 |
でぶでぐずで臆病な男の子ハンノーは、学校でいじめにあってひとりぼっちです。ある日、ドラゴンの国の落ちこぼれ、ちびドラゴンに会い、二人は友達になります。 ちびドラゴンは、人間の国が珍しくて、ハンノーに絵や字や、歌や木登りなどを次々に教えてくれとうるさくねだります。ちびドラゴンにしぶしぶ教えるうちに、ハンノーはいろいろなことができるようになり、自信を持てるようになっていきます。 ちびドラゴンも、いろいろなことをハンノーから習って、やっぱり自信を持てるようになり、ドラゴンの国に戻って行きました。 |
ながいながい いぬいとみこ 作 |
遠い南極の島にペンギンの兄弟ルルとキキが生まれました。ある日、元気で冒険好きなルルは巣から雪の原っぱに出ていってしまいます。大カモメにおそわれそうになったルルは、氷の割れ目に飛び込み、ペンギンのおばさんに出会い、人間という恐ろしものの話を聞きます。 ルルは、また歩き始めましたが、途中で疲れてしまい、倒れたところを「もりうちのセイさん」という人間に拾われます。セイさんは南極土産にルルを連れて帰るつもりでした。 それを知ったペンギンの仲間たちは、大群でセイさんの船を取り囲み、ルルを助け出します。 このほかに2編のお話があります。 |
長くつしたのピッピ アストリッド・リンドグレーン 作 |
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ネズの木通りの リリアン・ムーア 作 |
ある朝、お父さんが新聞を読んでいると、『お宅にがらくたはありませんか?家の中を探してみましょう。今こそきれいにする時です。』という記事が載っていました。 お父さんはそれをお母さんに見せ、お母さんは近所の奥さんに見せ、とうとうネズの木通り中に広まり、みんなが大掃除を始め、通りはがらくたでいっぱいになりました。 でも、他の家のがらくたを見ていると、前から欲しかったものが見つかるのです。それぞれ欲しいがらくたを持ち帰ると、がらくた屋のトラックが着く頃には、でっかい揺り椅子が一つしか残っていませんでした。それも、がらくた屋さんの欲しいものだったので、結局、がらくたは一つも残りませんでした。 他に6編のお話があります。 |
ハナさんのおきゃくさま 角野 栄子 作 |
もてなし上手で大のお客さん好きのハナさんは、ある時、ひとり暮らしをするために、町と森のさかい目にぴったりの家を見つけて引っ越ししました。その家には町と森のそれぞれの方に玄関がついていました。お茶とケーキを用意して待っていましたがなかなかお客さんは来てくれません。淋しく思っていると、家の中を通り抜けて町へ行こうと山ばあさんがやってきました。そして、迷子の涙からとる化粧水の話をしてから、迷子を買いに町へ出かけていきます。でもハナさんの家で食べたお茶とケーキがおいしかったので、山ばあさん町で迷子ではなくお茶の道具やケーキの材料を買ってきました。 ほかにも、ハナさんの家には、おばけの子、オーバーくん等不思議なお客さんが次々にやってきました。 |
火のくつと風のサンダル ウルズラ=ウェルフェル 著 |
くつ屋のチムは背が低くて太っている自分が嫌で仕方がありません。誕生日に「何がほしい」と聞かれ、「自分でなくなりたい」と答えるチムにお父さんはとびっきりのプレゼントを約束しました。誕生日に、チムは赤いくつとリュックサックをもらいました。そのくつをはいたチムのことを「火のくつ」、大きなサンダルをはいたお父さんのことを「風のサンダル」と名前をつけ、夏休みにはいると、ふたりは四週間の旅に出かけていきました。途中でチムは、牛に引きずられたり、出会った子どもたちに太っていることをからかわれたりしましたが、その度にお父さんがゆかいな話をしてくれ、チムに自信を持たせてくれました。旅が終わる頃、チムは今の自分でいることを幸せだと思うようになりました。 童話館出版より同書名で出ています。 |
ふしぎな木の実の 岡田 淳 作 |
無口で恥ずかしがりやのスキッパーは、博物学者のバーバさんと、こそあどの森に住んでいます。3ヶ月前にバーバさんが出かけたままなので、今は一人で静かに暮らしています。ある日、郵便配達のドーモさんがバーバさんの手紙とふしぎな木の実のポアポアを届けにやってきました。ところが手紙は途中でぬれてしまい、「つくり方は□□□さんにたずねるとわかるでしょう。」と肝心なところが読めなくなっていました。スキッパーは思い切って森に住む人々を訪ね、その調理法を教えてもらおうとしますがうまくいきません。雪がとけ始めた頃ポアポアの実から白い芽がでてきました。実がなると、雪が消えた頃に届いた2通目の手紙通りジャムを作り、お茶に入れてのみました。 いつかスキッパーは人といるのがいやでなくなっていました。 |
ベーロチカと |
いたずらっこのベーロチカとタマーロチカは、ある日おそろいの帽子をかぶって海辺へ行きました。おかあさんと水遊びは絶対にしないと約束をしてきたのですが、はだかで海に入って遊んでしまいます。海から上がってみると洋服が泥棒に盗まれていて、二人は裸のままうちへ帰らなければなりませんでした。約束を破った二人は、お母さんに怒られてしまいます。そのとき、おまわりさんが洋服を届けに来てくれましたが、帽子がありません。おまわりさんは、「おかあさんのいうことを聞けるようになったら返してあげる。明日また言うことを聞く子になったか聞きにくる」と言って、帰ってしまいました。 帽子がどうなったかは、まだ明日が来ていないのでわかりません。このお話の他に2編あります。 |
マクブルームさんの シド・フライシュマン 作 |
マクブルームさんは、今までの畑に見切りをつけて、かみさんと11人の子ども達と西部をめざしていました。途中、ヘックさんから、80エーカーの土地を買いました。 しかし、実際には1エーカーしかなく、文句を言ったのですが、うまく言い逃れられてしまいます。ところが、なんとその土地は1日に3,4回も作物を収穫できるすばらしい畑だったのです。そのことを知ったヘックさんは、その土地を取り戻そうと何かと邪魔をします。ある日、マクブルームさんが、やってきたヘックさんの足もとに投げたバナナカボチャの種からあっという間にのびたつるが、ヘックさんをつかまえて、家まで飛ばしてしまいました。それきりヘックさんは姿を見せませんでした。この他、大風の話、イナゴの大群の話があります。文章は大阪弁で書かれています。 |
魔女になりたくない アンナ・ベネット 作 |
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ラモーナとおとうさん ベバリィ・クリアリー 作 |
ちょっとやんちゃな女の子ラモーナの家は、おとうさん、おかあさんとお姉さんのビーザスの4人家族です。 失業したおとうさんは、仕事を探すかたわら、おかあさんに変わって、ラモーナたちの世話や食事の支度をすることになります。仕事が見つからず、イライラするおとうさん、疲れ切ったおかあさんを見て、元のような幸福な家族に戻りたいとラモーナは思っていました。そこで、ラモーナは、子役になってお金を稼ごうといろいろな練習をします。また、おとうさんの体に悪いからと、たばこをやめさせようとします。クリスマスの数日前、おとうさんにやっと仕事が見つかり、いつものようなクリスマスを迎えることができました。 他に「ビーザスといたずらラモーナ」、「ラモーナは豆台風」、「ゆうかんな女の子ラモーナ」、「ラモーナとおかあさん」があります。 |
リンゴの木の上の |
両親と兄姉の五人で暮らしているアンディは、優しく、ちょっぴり甘えん坊の男の子です。アンディには、不満なことが一つありました。それは、おばあさんが一人もいないことです。 ある日、学校から帰ったアンディが一人でリンゴの木に登ると、お母さんが見せてくれた写真とそっくりのおばあさんがいました。おばあさんは、アンディを遊園地や野馬狩りに連れて行ってくれ、やってみたいと思っていたことを何でもやらせてくれました。 その頃、アンディは近くに引っ越してきた一人暮らしのおばあさんと知り合い、仲良くなり、手伝いや買い物をしてあげます。そのうち、そのおばあさんを、リンゴの木の上のおばあさんと同じようにとても大切に思うようになりました。 こうして、アンディは、おばあさんを二人持つことになったのです。 |