大きな森の小さな家

ローラ・インガルス・ワイルダー 作
 ガース・ウィリアムズ 画 
恩地三保子 訳
 福音館書店 1972年

 西部開拓時代のお話です。北アメリカウィスコンシン州の森に住むインガルス一家には、5歳の女の子ローラがいました。頼りがいがあるけど厳しいお父さん、気丈でやさしいお母さん、そして、お姉さんと妹の5人で暮らしていました。
子どもたちは、小さい頃から家の手伝いをするのが当たり前で、ローラも姉のメアリーと一緒にお皿ふきをしたり、バターを作ったりと小さいなりに頑張っていました。
大自然の中で、一家は、助け合いながら、家や食べ物など生活のあらゆるものを自分たちの手で作り上げていました。
ローラは、家族の愛情と、厳しいながらも豊かな大自然の中で成長していきます。
この物語は、作者の自伝的作品9編の第1作目です。

思い出のマーニー(上・下)

ジョーン・ロビンソン 作
松野正子 訳 
岩波書店 1980年(岩波少年文庫)

 孤児のアンナは、静養のためロンドンの養父母の元からこの村にやってきます。アンナは、浜で古い屋敷を見つけ、そこに住むマーニーと友だちになります。今まで友達のいなかったアンナにとってマーニーは特別な存在でした。
 二人は、毎日のように一緒に楽しい時間を過ごします。しかし、ある日、マーニーが無人の風車小屋に、アンナを一人置き去りにするという事があって以来、マーニーは姿を消してしまいます。
そんな中、アンナは偶然見つけたマーニーの日記と、老女ギリーの話によって、マーニーがアンナの本当のおばあさんだったことを知ります。そして、アンナは、自分がマーニーからとても愛されていたことを知ったのです。


銀のほのおの国
                               
神沢利子 著 
堀内誠一 画 
福音館書店 1972年

 11歳のたかしとその妹ゆうこは、家の壁に飾られている、剥製のトナカイの首の魔法をとく呪文を唱えたため、見たこともない世界へ引っ張り込まれます。そこには言葉を話すウサギがいて、剥製だったトナカイは「はやて」と言い、昔敗れた青イヌ(オオカミ)と再び戦うために生き返ったのだと話してくれます。
 そして、家に帰るには、「はやて」を探さねばならないと言われた二人は、「はやて」を探す旅にでます。旅の途中で、たかしとゆうこは離ればなれになりますが、様々な動物たちに助けられて、銀のほのおの国で、再会することができました。トナカイと青イヌとの戦いが終わった時、二人は、はやてに送られて自分たちの世界へ戻ることができました


くらやみ城の冒険

  マージェリ・シャープ 著
ガース・ウィリアムズ 絵
 渡辺茂男訳 

      岩波書店   1987年              


 ねずみたちは、「囚人友の会」の総会で、くらやみ城に閉じ込められているノルウェーの詩人を助け出すことを決めました。そこで家ねずみのバーナード、大使のぼうやに飼われている白ねずみのミス・ビアンカ、ノルウエーねずみの船乗りニルスの3匹が救出に向かうことになり、断崖絶壁に建つくらやみ城に忍び込みます。そこには、監獄長に飼われている巨大な黒ネコ、マメルークがいました。バーナードとニルスは、マメルークに見つからないように城の様子を調べます。ミス・ビアンカは危険をおかしながらもマメルークに近づき、見張りが手薄になる日があるという有力な情報を聞き出します。3匹は、集めた情報をもとに綿密な詩人救出計画をたて、無事に詩人を助けだします。
 『ミス・ビアンカシリーズ』全7巻の第1巻目です。

グリーン・ノウのお客さま

   L.M.ボストン 作
  亀井俊介 訳

   評論社  1968年      


 難民キャンプで暮らす少年ピンは、夏休みをグリーン・ノウの屋敷で過ごすことになりました。伝説めいたこの屋敷には、子どもを自由に遊ばせてくれる庭や森があります。 
 ある日、ピンは、動物園でジャングルから連れてこられたゴリラのハンノーと一瞬心を通わせます。そんなハンノーが動物園から逃げ出し、グリーン・ノウに逃げ込んだことを知ったピンは、ハンノーと一緒に暮らそうとします。しかし大人たちは、ピンがハンノーに襲われていると思い、ハンノーを射殺します。ピンの気持ちを察したグリーン・ノウの屋敷の夫人は、ピンに難民キャンプに戻らず、この屋敷に残るように奨めました。                                    
 『グリーン・ノウの子どもたち』を第1作とするシリーズで、全部で6作品あります。                      
                             

 源平の風 白狐魔記

斉藤洋 作
高畠純 画
  偕成社  1996年
   

                                                                      
  母狐から独り立ちしたきつねは、仲間とのなわばり争いをさけるため人里近くに住んでいました。人間にみつからないように暮らしながら、人間を観察するうち、きつねは人間の言葉を理解するようになります。そんなある日、きつねは寺の僧侶が 「白駒山の仙人の元で修行を積んだ狐は、人を化かす力を得る」というのを聞き、白駒山へと向かい、仙人に会い、弟子となって修行を積みます。やがて人間に化けることができるようになり、白狐魔丸(しらこまる)という名をもらい、旅に出ます。                                                                         
 続編に『蒙古の波』、『洛中の火』があります。   
                               


木かげの家の小人たち
                      

 いぬい とみこ作
吉井忠 画 

 福音館書店 1967年

 


 森山ゆりは、イギリスから、日本へ来た小人の世話を父から任されます。それは、ブルーの小さなコップに毎日牛乳を入れることです。                                         
 第2次世界大戦が始まり、ゆりは疎開し、家族もバラバラになります。戦争が激しくなり、ゆりは、一緒に連れていった小人のミルクを手に入れることが困難になります。小人はゆりから離れ、日本の小人アマネジャキと暮らすようになります。戦争が終わり、ゆりが東京に戻るときに、小人の夫婦はイギリスへと帰り、その小人の子どもたちは日本に残り、アマネジャキと一緒に暮らします。


ジーク
斉藤 洋 作
         小澤摩純 画                  
偕成社 1992年

                                                                               
 ジルバニア国に住む、銀色の片目を持つオオカミ猟師アレスの子ジークは、父と二人で山奥に暮らし、弓と剣の達人である父に鍛えられていました。父が亡くなった後は、親友バルに連れられて都にのぼり、さまざまな仲間と巡り会いますが、その一人からジークの出生の秘密を知らされます。実は  、ジークの母はジルバニア国の王女であり、実父は宿敵の国ゴルドニアの王子だったのです。                                                  
 ジークは仲間とともに、4年に一度ジルバニアとゴルドニアの兵士同士が戦い、生贄を差し出すという恐ろしいアーギスの儀式に挑み伝説の怪物アーギスを倒します。その後、ジルバニアとゴルドニアの2つの国に平和が訪れます。                              
 続編として、「ジーク2」があります。                
                         

しずくの首飾り

 ジョーン・エイキン 作
ヤン・ピアンコフスキー 絵
 猪熊葉子 訳
      岩波書店  1975年                   

                                                         
 ジョーンズさんは、あらしの夜にヒイラギにひっかかっている北風を助けました。そのお礼にと生まれたばかりの娘に、ローラという名前と「しずくの首飾り」をもらいました。その首飾りは誕生日がくる度に雨粒が1つずつ増え、雨粒が10になると本当の持ち主がかけているときにだけ、雨を降らせることができるのです。ローラは絶対にはずしてはいけないといわれていた首飾りを、友だちから盗まれてしまいます。首飾りは高い値段で売られ、アラビアのお姫様の誕生日に渡されることになりました。その日は、ローラの誕生日と同じ日で、10番目の雨粒をもらう日です。ローラは日照りが続いて困っているアラビアの王さまと雨を降らせる約束をし、首飾りを返してもらいます。ほかに「三人の旅人たち」など                         
 全部で8編のお話があります。 
       



精霊の守り人

上橋菜穂子 作
   二木真希子 絵  

  偕成社   1996年

            

                                                                              
 女ながら腕の立つ用心棒バルサは、偶然新ヨゴ王国の皇子チャグムの命を救います。父親の国王が、皇子の身に起きた異変を隠そうと、チャグムの命を狙ったのです。実は、チャグム皇子は、百年に一度生まれる精霊の卵を宿している「精霊の守人」でした。精霊が無事に生まれるとその百年は大きな災害や飢饉が起きないといわれています。                
  母親の妃に皇子を守るように頼まれたバルサは、チャグムを連れて旅に出ます。バルサたちはチャグムをねらう聖導師たちや土の精霊で卵食いのラルンガの追跡をかわしながら、薬剤師のタンダ、呪術師のトロガイとともに、卵を無事にかえす方法を探します。そして、夏至祭の日に祭りの歌に隠された秘密を解き明かし、ラルンガからチャグムを守り、卵を無事に孵化させたのです。

    
   たのしい川べ
                                                   

  ケネス・グレーアム 著 
 石井桃子 訳       
   岩波書店  1908年
           

                             
 大掃除をしていたモグラは、春の気配に誘われて家を飛び出し、川のほとりにでかけていきました。川岸に住む川ネズミに出会い、ボートに乗ったり、見たこともないごちそうを持ってピクニックに出かけたりと豊かな自然を楽しみます。                        
 また、好奇心に負けて車を盗んでしまい、牢獄に入れられ、そこから自分の家に戻るまで大変な苦労をするわがままなヒキガエルのおはなしや、物知りで、威厳のあるアナグマ達と  力を合わせ、イタチに乗っ取られたヒキガエルの家を取り戻すために戦うおはなしもあります。                               
                                                

チョコレート工場の秘密

   ロアルド・ダール 著
ジョセフ・シンデルマン 絵
 田村 隆一 訳

   評論社   1972年     

                                                                            
  チャーリーはチョコレートが大好きでしたが、家が貧しかったので、誕生日にしか買ってもらえませんでした。そんなチャーリーの家の近くに、チョコレート工場がありました。
 ある日、工場見学と一生分のお菓子がもらえる「金色の券」の入ったチョコレートが売り出されました。券を引き当てたのは、くいしんぼうのオーガスタス、ガムをかみ続けるバイオレット、気に入るとすぐほしがるベルーカ、テレビばかり見ているマイク、そしてチャーリーでした。
 5人がチョコレート工場を見学している最中社長のワンカさんの注意を守らなかった子ども達は次々と姿を消し、最後に残ったのはチャーリーだけでした。チャーリーは、工場の後継になることを頼まれ、喜んで引き受けます。

月のしかえし

 ジョーン・エイキン 文
アラン・リー 絵
 猪熊葉子 訳

 徳間書店 1995年

 車作りの家の7番目の息子セッピーは、バイオリンを弾くことが大好きだったので、空き家から聞こえてくるふしぎな声に、国一番のバイオリン弾きになる方法を尋ねました。そして、声が答えたとおり、7晩続けて月に靴をかたっぽ投げつけました。彼の願いは叶いましたが、月の怒りをかったため、投げつけた靴を取り戻すまで妹は口がきけず家族に大きな災難が降りかかるなどの罰を受けました。
 7年後のある夜、7本足の大きな怪物が海から現れあばれますが、彼のバイオリンの音を聞くとだんだん小さくなりやがていなくなりました。そこにはセッピーの靴だけが残っていました。靴を取り戻すことができたことで、妹は話せるようになり彼は有名なバイオリン弾きになりました。

とぶ船

ヒルダ・ルイス 作
 石井桃子 訳
岩波書店  1966年

                                                       
 ピーターは歯医者にいった帰り町の古道具屋で小さな船を見つけ手に入れます。それは空飛ぶ魔法の船でした。
 ピーターはその船で兄弟達と一緒に入院中の母に会いに行ったり、外国へ行ったりといろんな冒険をします。過去 の世界にも足を踏み入れました。北欧の神々の住むところへ行ったときこの船の秘密が明かされました。
 こうして5年の月日が経つと、一緒に冒険した兄弟達は、船の冒険は本当のことではなく、ピーターのしてくれた素晴らしいお話だと思うようになりました。
 そこで、ピーターは、船を約束通り、古道具屋の老人に返しに行きました。

トムは真夜中の庭で

フィリッパ・ピアス 作
高杉一郎 訳

   岩波書店 1967年       

 トムは、はしかにかかった弟ピーターから隔離されるために、おばさんの家に預けられました。おばさんの家は、昔の大邸宅をアパートに使っているので、家主はバーソロミュー夫人でした。ある夜、一階の玄関ホールにあ古い大時計が13時を打ち、不審に思ったトムは、時計の針を確かめるために階下のホールへ降りていきました。ホールにあるドアを開けると、そこにはすばらしい庭園が広がっていました。その夜からトムは誰にも知られずに、庭園を訪れ、少女ハティと出会い、その庭園で遊んだり、話をしたりして楽しい時間を過ごします。トムは家に帰る前夜、庭園に行こうとしますが、そこにはいつもの裏庭でしかありませんでした。翌日、バーソロミュー夫人に会いにいったトムは、ハティが幼い頃の夫人だと知り、しっかりと抱き合いまた会うことを約束し別れました。

ドリトル先生航海記

 ヒュー・ロフティング 著
 井伏鱒二 訳

 岩波書店 1961年

 スタビンズ少年は、動物語が話せるドリトル先生と仲良くなったことから、先生の助手となりました。
 航海へ出た先生たち一行は、クモザル島へたどり着き、行方不明だった博物学者を見つけだします。ところが先生達は、その島の種族間の争いに巻き込まれてしまいます。先生は争いをやめさせることはできましたが、島の人たちによって王にされてしまいます。自分の研究ができなくなった先生は、島を逃げ出し、大ガラス海カタツムリに乗って故郷イギリスへ帰りました。
 「ドリトル先生アフリカゆき」に始まるこのシリーズは、全部で12巻あります。

二分間の冒険

  岡田淳 著
太田大八 絵

  偕成社  1985年

 
  小学6年生の悟は、学校で出会った不思議なクロネコ「ダレカ」に導かれ、不思議な世界へと迷いこんでしまいます。元の世界に戻るには、「ダレカ」の姿をこの世界のどこかで見つけなければなりません。悟は「ダレカ」を探し始めますが、その途中、かおりという少女と一緒に、生贄になるために竜の館に行くことになります。 
 悟とかおりは出会った老人から、生贄になるのではなく、知恵と力で竜と戦うために館に行くのだと教えられ、竜を倒す剣をもらいます。館につくと他にも子どもたちが集まっていました。悟とかおりはみんなと力を合わせ、竜を倒します。そして、この世界で一番確かなものである「ダレカ」の姿を見つけた悟は元の世界に戻ることができました。
 悟がこの不思議な世界で体験した事は、現実の世界のわずか二分間におこった出来事でした。

ハイジ

 ヨハンナ・シュピーリ 作
パウル・ハイ 画
矢川澄子 訳

   福音館書店 1974年   

                      
 ハイジは、叔母のゲーテに連れられて、アルムの山に住むおじいさんのところにやってきます。ハイジは、おじいさんにかわいがられ、アルムの大自然の中、山羊飼いのペーターやおばあさんたちと楽しく暮らしていました。ところが、ゲーテは、体が弱く車イスで生活をするゼーゼマン氏の娘クララの遊び相手にするために、ハイジをフランクフルトに連れて行きます。  ハイジはクララと仲良くなりますが、都会での生活に馴染めず、様々な騒動を起こし、夢遊病になってしまいます。それに気づいたゼーゼマン氏は、ハイジを山に帰します。
 アルムに帰って元気を取り戻したハイジの元に、療養に来たクララは、山の自然の中で歩けるようになります。

秘密の花園

   フランセス・ホジソン・バーネット 作
堀内誠一 画 
猪熊 葉子 訳

福音館書店  1979年

                     
  メリーは10歳のとき両親を亡くし、イギリスにあるクレーブン叔父の屋敷に引き取られます。両親の愛情を受けずに育ったメリーは、つむじ曲がりな少女でしたが、女中のマーサやその弟ディッゴンと出会い、明るい少女へと変わっていきます。
 ある日メリーは、10年の間誰も入ることが許されていなかった「秘密の花園」を見つけ、ディッゴンとともに、ひそかに手入れをし、見事な花園を甦らせます。
  ある晩、メリーは不思議な泣き声をたどって行き、クレーブン氏の息子コリンに出会います。病弱で気難しいコリンは、部屋に閉じこもって車椅子で暮らしていましたが、メリーやディッゴンと「秘密の花園」で遊ぶようになり、次第に元気な体と笑顔を取り戻します。一年ぶりに屋敷に戻ったクレーブン氏は、走れるようになったコリンとあの花園で出会い、その変わり方に驚きます。
 妻の死によって閉ざしていた心を開いたクレーブン氏は、コリンと共に晴れやかな顔で一緒に屋敷へ戻っていきました。

冒険者たち 
ガンバと15ひきの仲間

斎藤惇夫 作
 薮内正幸 画 

 岩波書店 1982年 

                                
 ドブネズミのガンバは、友達に誘われて、船乗りネズミたちのパーティーに参加します。そこで、海の向こうの島から助けを求めてやってきた忠太に、島のネズミたちがイタチに苦しめられていると聞き、仲間を救うため冒険の旅に出かけます。
 人間やイタチを警戒しながらやっとの思いで島に渡ったガンバたちは、山の洞穴にたてこもり、命がけでイタチと戦います。その姿に、始めはなかなか信頼しようとしなかった島のネズミたちも心を開いて、一緒に戦うようになります。イタチとの死闘の末に、ガンバたちは海鳥たちの助けを借りて逆転勝利を収めます。そして、ガンバは生き残った仲間と新たな旅に出る決心をします。
  続編に『ガンバとカワウソの冒険』があります。  
                               

ぽっぺん先生の日曜日

 舟崎克彦 著
 筑摩書房 1973年

 
                                                     
 ぽっぺん先生は独身の生物学者です。ある日曜日の朝、珍しく書斎に散らかった本を片付け始めたところ、ホコリをかぶった古いなぞなぞの本が先生の目にとまりました。気になって手に取った先生はいつのまにか絵本の中に入り込んでいました。
 外の世界に出るためには、1ページずつなぞなぞを解いて進むしかありません。先生は、順調にページを進んでいましたが、次が最後のページだというところまできた時に、子どものころ最後のページを破った罪で、七ひきのイタチに捕まえられ、牢屋に入れられてしまいます。先生は牢屋から何とか逃げ出し、やっと最後のページにたどりつきました。
 そして、そのページにいる少年に助けられ、無事本の外へ出ることができました。
 続編に『ぽっぺん先生と帰らずの沼』など多数あります。 

ホビットの冒険                                                   J.R.R.トールキン 著 
寺島竜一 絵
  瀬田 貞二 訳

  岩波書店  1965年


 ホビット小人のビルボは自分の家で暮らすのが大好きでした。ところが、ある日魔法使いのガンダルフと13人のドワーフ小人に誘い出されて、しぶしぶ竜に奪われた宝を取り返す旅に、出かけていきます。
 ある時、敵のゴブリンに追われたビルボは、地下で暮らすゴクリが大切にしていた指輪を拾います。それは、指にはめると姿が消える魔法の指輪でした。様々な困難を知恵と勇気と指輪の力で乗り越えたビルボたちはついに宝を取り戻しました。そしてその後起こった壮絶な争いに勝ったビルボは、無事大好きな自分の家に帰ることができました。

ムギと王さま

 エリナー・ファージョン 作
 石井桃子 訳

  岩波書店 1971年

                                                              
 ふだんあまり口をきかない男の子ウィリーは、金色に輝く麦の穂を見つめながら、「昔ぼくがエジプトにいたとき・・・・・」とふいに私に語り始めました。
 「傲慢な王がぼくのお父さんの麦畑を焼き払ってしまい、『エジプトの王は麦よりも偉い、私の命は永遠だ。』といって立ち去り、その王は翌年死んだ。しかし、ぼくの手の中に残った数粒の麦は、何千年も経った今でも、こうして立派に実っている。」ウィリーはそういうと、刈り残した真ん中の麦を指さしました。見るとそれは他のどの穂よりも背が高く金色に輝いてました。
 その他に、全部で27編のお話があります。

モモ

 ミヒャエル・エンデ 作
   大島かおり 訳

        岩波書店 1976年               

 
 古代の円形劇場の廃墟のなかに、突然住み着いた少女モモは、周りの優しい大人たちの庇護を受け、子どもたちと暮らし始めます。モモには人の話を聞くというすばらしい能力があり、モモに話を聞いてもらった人は自分自身を見つけ自分の生活を取り戻すことが出来るようになります。        
 ある日、人々の前に灰色の男たちが現れます。この男たちは時間泥棒で時間を人々から盗んで生きていくのです。言葉巧みな灰色の男たちにだまされた人々は、時間に追われて生きるようになります。モモは、時間の国の使者カシオペィアという名のカメの助けを借り、人間から時間を盗む灰色の男たちと戦い、人間に心豊かな生活を取り戻してやります。

床下の小人たち

 メアリー・ノートン 作
ダイアナ・スタンレー 絵
林 容吉 訳

 岩波書店  1969年       

                              
  ある日、ケイトが編み針をなくすと、彼女に編み物を教えていたメイおばさんが、借り暮らしの小さい人々の話をしてくれました。
 イギリスの古い静かな家の床下に、小人家族ポッドとホミリーの夫婦と一人娘のアリエッティが住んでいました。その暮らしは、必要な物を床上に住んでいる人間から「借りる」ことで成り立っていました。人間に隠れて生活していた彼らですが、ある日、その家に静養に来ていた男の子に見つかってしまいます。しばらくは男の子と共にうまくやっていましたが、家の大人に見つかってしまい、小人たちは床下を後にして未知の野原へと生活を移すことになります。
 このお話は、シリーズ全5巻の第1巻です。

ゆびぬき小路の秘密

小風 さち 作
      小野かおる 画          

福音館書店 1994年

                          
 新しい町に引っ越してきた11歳のバートラムは、家の近くにあるゆびぬき小路の古着屋で、一つだけ5つ穴のボタンがついているコートを買ってもらいました。
 バートラムは、ゆびぬき小路の仕立屋のおばあさんからこのボタンは一角獣の蹄でできていて、5つで1組になっているという事を教えてもらいます。バートラムがそのコートを着ると不思議なことに、ゆびぬき小路の過去へ入りこんでしまうのです。バートラムは過去と現在を行き来しながら5つのボタンを揃えようとします。しかし5つ目のボタンを割ってしまい、過去に閉じこめられそうになります。なんとか現在に戻ることができたバートラムは、割れたボタンを火の中に投げ入れました。すると不意にひづめの音が近づいてきてそして遠ざかっていきました。

ライオンと魔女

 C.S.ルイス 作
 瀬田貞二 訳

 福音館書店 1966年  


 ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィの4人の兄妹は疎開のために片田舎の屋敷で暮らすことになりました。
 ある日、4人は、屋敷にある衣装ダンスを通ってナルニア国に迷い込みます。
 この国は、白い魔女に支配され、「永遠の冬」が続いていました。白い魔女は自分に逆らう者を、容赦なく石に変えてしまいました。4人はナルニア国を救うと言い伝えられている森の司主であるライオンのアスランを探し出し、魔女に苦しめられている人たちを助け出しました。魔女との闘いに勝利した時、ナルニア国にやっと春が訪れました。
 この本は、『ナルニア国ものがたりシリーズ』全7巻の第1冊目のお話です。

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