調査・質問内容
質問番号 |
0000024280 |
状態 |
受付済 |
質問日 |
2020/07/15 |
①「人一倍、努力する」と言うが、人一倍の努力であれば、数学的に考えれば他人と同じだけの努力でしかない。意味的には二倍の努力だと思うのだが、一倍というのは何故か。
②明治8年に発令された「人一倍」に関係するお触れ(太政官布告)とは何か。
図書館からの回答
回答状態 |
公開済 |
公開日 |
2021/02/18 |
関連質問番号 |
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①「人一倍」について
◆参考資料1『日本国語大辞典 第11巻(第二版)』p.364に下記の記述あり。
【人一倍】人の倍であること。普通の人以上であること。副詞的にも用いる。
◆参考資料2『日本国語大辞典 第1巻(第二版)』p.1093に下記の記述あり。
【一倍】
①(二倍の古い言い方)ある数量にそれと同じだけのものを加えること。また、その結果の数量。ばい。いちへ。
②(副詞のようにも用いる)他と比較して数量、程度が大きいこと。いっそう。ひとしお。
③数学で、ある数に一をかけること。また、その数。かける前の数と同じになる。
◆参考資料4『大辞泉 上巻(第二版)』p.220に下記の記述あり。
【一倍】
①ある数量に1を掛けること。また、1を掛けた数量。同じ数量。
②ある数を二つ合わせること。2倍。
③他よりも数量・程度が大きいこと。副詞的にも用いる。いっそう。
◆参考資料3『悩ましい国語辞典』p.222-223に下記の記述あり。
【人一倍】
「一倍」だと数学的には同等のことでは?(中略)『日本国語大辞典』によれば、「一倍」は「二倍の古い言い方で、ある数量にそれと同じだけのものを加えること」とある。一番古い用例は奈良時代のものなので、かなり古くから2倍の意味で用いられていたことがわかる。(中略)しかし、実際の日常語としてはそんな厳密なものではなかったのかもしれない。だから、やがてそれが転じて、「人一倍」のように正確な数量を表すのではなく、ほかと比べて程度が大きいという、「いっそう」「ずっと」の意味になったものと思われる。
②「人一倍」に関係するお触れ(太政官布告)について
◆参考URL1 国立国会図書館デジタルコレクション 『太政官布告、明治8年 第101-207号』
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787675 161コマ インターネット公開(保護期間満了 2020.12.1最終確認)に下記記述あり。
「第百八拾三號
自今公文中總テ計算上一倍ノ稱呼ヲ止メ 從前ノ諸規則等ニ一倍ト記載有之分ハ二倍ト改正候條此旨布告候事
但譬ハ原金高一圓ノ二倍ハ二圓十倍ハ十圓ト計算候儀ト可心得事
明治八年十二月二日 太政大臣三條實美」
参考文献
参考URL
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